*

【報告】「九条の会発足10周年講演会『集団的自衛権と憲法9条』に行って聞いてきました。その2

公開日: : ごまめのはぎしり, イベント

【報告】「九条の会発足10周年講演会『集団的自衛権と憲法9条』に行って聞いてきました。その2[その1の続きです]

◎2014年6月10日 ◎会場:渋谷公会堂

昨日ご報告しました「九条の会発足10周年講演会『集団的自衛権と憲法9条』」で聞いてきた話の中から印象に残った話に続きを紹介させていただきます。

大江健三郎さん

大江健三郎さんのお話は、10年前に「9条の会」の呼びかけ人をと、加藤周一さんからお誘いがあったころのことのお話から話が始まりました。
事務局長の小森陽一さんが電話をかけてきて、「加藤周一さんが9条の会という会を立ち上げるので呼びかけ人になってほしい、他の呼びかけ人を紹介してほしい」というので井上ひさしさんと澤地久枝さんを紹介したこと、大学時代の加藤周一さんについてのことなどです。

加藤周一さんのこと
「私が12歳の時に憲法ができた。憲法があったから東京の大学に行って勉強しようと思った。憲法ができたときに先生から『個人が尊重されるようになる』といわれたので自分を尊重してやろうという気になった。憲法と同時に教育基本法ができてそのことでとても励まされた。」
「東大に入り仏文学を勉強することになり、出会った先生(渡辺一夫先生)から『戦後の日本の新しい文化を創り上げる人が加藤周一だ』と聞いた。」
「安倍首相は「戦後レジーム(何でレジームという言葉を使うのか分からないが)を忌まわしいものとして打ち壊そうとしているが、戦後のレジームは戦前にはなかったものだった。戦後の日本の新しい文化を創り上げた人が加藤周一だった」

政治家は間違っていたとはけして言わない。
「安倍さんは96条を改造しようとし,市民や専門家に強い批判されると引っ込めて今度は解釈改憲で行こう、閣議決定で決めてしまおうと。議会も内閣も自分の言ったことやりたいことを聞いてくれる人だけ集めてそうした人にしか話そうとしていない。」
「集団的自衛権が現実に行われるならアメリカに着いていってアジアでまた別な場所で戦争をすることになれば、政治家は間違っていたとはけして言わない。取り消すようなことはしない。そうして集団的自衛権はこの国から動かせないものになる。戦後レジーム、その中に生きてきたことに誇りを思ってきたことが終わりになる。」

加藤周一さんが感じていた危機感憲法を活かすと言うこと
「加藤さんはそれとは別なところで、加藤さんの世界感の中で非常に危険なものが起きることを見越していた。」
「加藤さんは夫人(矢島翠さん)から聞いた話によれば、最晩年、実践活動に移っていった。良く動くようになった、小田さんのような活動家になったと話されていた。何度か9条の会でお会いすると、ほんとうに今、9条の会に全てをかけておられるという感じだった。」
「憲法を改正しようとするのは戦争のためである。戦争の準備をするためである。平和の準備をするべきです。戦争の準備をすれば戦争の方に近づいていく。戦争の道を開けば、戦争か平和か選ぶことはできない。戦争か平和か選ぶことができる選択可能な選択が憲法にはある。将来の私たちのたたかい方、おそらく長丁場である長く活発に,ゆっくり確実に大きくなる闘い日常性に結びつけていかなければならない、それが憲法を活かすと言うことだ」

「あまり抽象的ではなく、日常的な結びつきで、福祉の縮小であるとか、対外的な戦争とか反対すべきものが相互に関連したものを、それこそが憲法を守るだけでなく積極的に活かしていくべきではないか。これから先たいへんです。一緒にできることは限りなくたくさんあるのです。」

(おそらくラスト二つのコメントは加藤周一さんの話されたことを引用したものだったと思います。わたしは大江健三郎さんのお話を録音していたことについ安心していて、メモを十分にとってませんでした。そして後になって録音トラブルに気がつきました。
いい話がたくさんあったという思い出は残っているのですが、わずか20数時間前と言っても記憶はどうもこの頃すぐ、遠くの霞の中の方に行ってしまうので、頭の片隅に残された断片を拾い集めても書いているものですから随分間違っていることが多いと思います。    ノーベル文学賞をもらった方のお話を「憲法を考える映画の会」で映画の後、話された方の話を「あとおいニュース」のため書き起こししているレベルの親しみをもって書いているものですから、変な文になって申し訳ありません。
もし一昨日、この講演会に参加して話をきちんと聞いておられる人がいらっしゃったら私の間違った紹介をびしばし指摘してください。
幸いにも9条の会の講演会は、しばらくするとYouTubeで見られたり、DVDが出ると思いますのでそれらで間違いが糾され、理解の足り無さを恥じらうことになると思います。
私の手もとにも加藤周一さんの講演井上ひさしさんの講演のDVDがありますので、思わずそれを聞き返してしまいました。

katohisashi
その中に、こんな加藤周一さんのこんな言葉がありました。
「なし崩し戦争をいつまでも黙ってみていると、ある段階では手遅れになってしまう。だから非常に大事なことはどこがいいタイミングであるかと言うこと、どこでそれを止めるかと言うこと」(「小田実さんの遺志を継ぐ」2008年3月8日)
「なし崩し解釈改憲」、「黙ってみているマスメディア」「どこでそれを止めるか?」まさに今の問題ですね。S.H.
(奥平康弘さんと澤地久枝さんのお話はまた別な機会に、これもいい話があります)

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

関連記事

日本は戦争をするのか

「集団的自衛権」書籍のご案内

「集団的自衛権」を考える4冊の書籍のご案内 いまこそ、憲法と集団的自衛権についての知識をパワーアッ

記事を読む

51lsHl6FmmL._SL500_SL160_

書籍「漫画家たちの戦争」のご案内

書籍「漫画家たちの戦争」のご案内 昨年刊行された全集ですが、こどもたちに戦争をどう伝えるかをマンガ

記事を読む

琉球新報140611

「憲法を考える映画のリスト」が琉球新報に紹介されました。(2014年6月11日)

「憲法を考える映画のリスト」のご報告 5月24日の第12回憲法を考える映画の会」の時に「憲法を考え

記事を読む

国連・人権勧告の実現を!

9・28「国連・人権勧告の実現を!」ご案内

9・28「国連・人権勧告の実現を!」ーすべての人に尊厳と人権をーご案内 日 時:2014年9月28

記事を読む

本会のコラム7月2日山口二郎

泣く子はきちんと叱り、地頭の横暴は許さないようにしましょう!

泣く子はきちんと叱り、地頭の横暴は許さないようにしましょう! 東京新聞の「本音のコラム」は7人の書

記事を読む

栁沢さん講演3

報告 「栁沢協二さんの講演『迷走する集団的自衛権』」から

報告「9条フェスタ市民ネット学習会」で栁沢協二さんの講演『迷走する集団的自衛権』を聞きました。

記事を読む

第51回「沖縄から叫ぶ戦争の時代」「宮古島からのSOS」20190630オモテ

第51回憲法を考える映画の会(2019/6/30)

第51回憲法を考える映画の会『 沖縄から叫ぶ戦争の時代 』『 宮古島からのSOS 』

記事を読む

ぼくたちは見た4

「第2回憲法を考える映画の会ちいさな映画会」のご案内

「第2回憲法を考える映画の会ちいさな映画会」(試写会)のご案内 「第2回憲法を考える映画の会ちいさ

記事を読む

10月14日報告集会用チラシ(1010版その2)

あいちトリエンナーレ《表現の不自由展:その後》再開を明日につなげる報告集会

『あいちトリエンナーレ 《表現の不自由展:その後》』再開を 明日につなげる 表現ネット10月14日

記事を読む

テロ等準備罪は必要か?

上映会にインターネットTVの取材が来ました。

前回の『横浜事件を生きて』の上映会には,テレビ朝日系のインターネット報道番組(AbemaTV「Abe

記事を読む

ad

ad


第7回むのたけじ反戦塾案内チラシ2024年3月20日版
第7回むのたけじ反戦塾

第7回むのたけじ反戦塾 第7回むのたけじ反戦塾 日

第74回「サイレントフォールアウト」20240203案内チラシ2
第74回憲法を考える映画の会『サイレント・フォールアウト 乳歯が語る大陸汚染』

第74回憲法を考える映画の会『サイレント・フォールアウト 乳歯が語る大

第6回むのたけじ反戦塾案内チラシ2024年1月20日版
第6回むのたけじ反戦塾

第6回むのたけじ反戦塾 日時:2024年1月20日(土)13

第73回「流血の記録砂川」20231223チラシ(11月30日版)オモテ
第73回憲法を考える映画の会『流血の記録 砂川』

第73回憲法を考える映画の会『流血の記録 砂川』 と き:2023年

第5回むのたけじ反戦塾案内チラシ11月23日版(修正)オモテ
第5回むのたけじ反戦塾

第5回むのたけじ反戦塾 と き:2023年11月23日(木・休)

→もっと見る

PAGE TOP ↑