【報告】「九条の会発足10周年講演会『集団的自衛権と憲法9条』に行って話を聞いてきました。その1
【報告】「九条の会発足10周年講演会『集団的自衛権と憲法9条』に行って聞いてきました。その1
◎2014年6月10日 ◎会場:渋谷公会堂 ◎参加者:2000人以上
挨拶:金泳鎬さん(韓国・檀国大学碩学教授)
講演:池田加代子さん(ドイツ文学翻訳家・口承文芸研究者)
ビデオ上映:阪田雅裕さん(元内閣法制局長官)
講演:大江健三郎さん(作家・九条の会よびかけ人)
講演:奥平康弘さん(憲法研究者・九条の会よびかけ人)
講演:澤地久枝さん(作家・九条の会よびかけ人)
写真は大江健三郎さんにお話「…集団的自衛権箱の国から動かせぬものになる。戦後レジーム、その中に生きてきたことに誇りを持ってきたことが終わりになる…」
金泳鎬さんのお話
アジア、市民、平和の会議を今こそ開くべきだ!
「アジアの他の国でも国家の論理と市民の分裂が大きな問題になっています。国家はそれぞれがその国内に内在する問題を抱え,問題が外にあるかのように振る舞う『敵対的相互依存』の状態に陥っています。この悪循環から抜け出さなくてはいけません。」
「しかし今こそ、東アジアでは市民社会が成熟しつつあるときでもあります。それらを連帯、結合させるときです。
アジアの市民たちは思っています。「アジア、市民、平和の会議を今こそ開くべきだ」と。
軍事の論理ばかり言って他の論理を小さくして言ってしまうのはあまりに危険です。市民の論理の声を大きくして、平和憲法を拡げて,アジア全体の平和憲法を作るべきです。
ベートーベンの作曲の「歓喜の歌」があります。
そのなかに、「この声ではない」「いやこの声でもない」と言ってナポレオンの声を打ち消してその後、「歓喜の歌」に「そうこの声こそ(待っていた)声だ!」と詠うところがありますが、各国ごとのナショナリズムの声は,「この声ではない」のであって、私たちは新しい歓喜の歌をともにともに迎えていきたいのです。
池田加代子さんのお話
憲法を作った人たちの気持ちに立ち帰る
憲法を解釈する場合、立憲意志と言って「つくった人たちに立ち帰って考えなければならない」
確かに進駐軍がもたらした、しかしそれらは鈴木安蔵らの憲法学者のものをもとにしていて、それらはまた植木枝盛らの憲法草案をもとにしている。
しかし何より「歴史が、この憲法の生みの親」だ。我が子が生まれたことを何より喜んだのが日本人だ。それは二度と政府に戦争をさせないという日本人の誓いだった。
安倍さんの言っている『積極的平和主義』の間違い
もともと「積極的平和主義」はポジティブ ピースつまり戦争がない状態を指すのでなく、平和がなくて平和を作り出して行くこと。ところが安倍さんの演説を外務省はプロアクティブ パシフィズムと訳した。プロアクティブは先だって動く、かき分けて前に出るの意味で、「攻撃は最大の防御」と言うことに近い。
グッド・ルーザー(潔く負けを認める人)の憲法
日本国憲法は,戦争で迷惑をかけた人々への「わび証文」。
それを70年守って、アジアの国々の人はゆるそうとした。
日本国憲法ができる直前に国連憲章ができ、そこには「国際紛争に武力は使わない」ことがすでに明記されている。
つまり日本国憲法は戦後世界のルールをいち早く採り入れてつくったものだ。
この70年間、日本は国の名で外国人を一人も殺していない。それは日本のブランドだ。平和のブランドだ。自衛隊は一人も外国人を殺したことがない。それは自衛隊の誇りでもある。
(また「九条の会発足10周年講演会『集団的自衛権と憲法9条』その2に継続します)
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日本の知性を代表するような人たちのお話を聞いていると、逆に安倍さんはじめ、強引で理屈もなくむちゃくちゃなことを押し通そうとしている国会動員の人たちは「痴性」(そんな熟語は辞書にもありませんが)というか、稚拙としか言いようのない方法で、憲法を壊そうとしているとしか言いようがありません。
だから満足な説明もできないし、説明をする気もないし、メディアも説明できないでいるところを見せないようにしている(ばらさない)。
わたしたちが長い間大切にしてきた、そして私たちを大切に育ててきた憲法を、そんなみっともない人たちにむざむざとこわされていいものでしょうか?その結果、私たちの大切にしている人が戦場にかり出されていくことを繰り返しては、憲法を大切にしてきた日本人の先輩たちに怒られ、悲しまれると思います。
解釈改憲の閣議決定を今国会中(22日まで)と安倍政権は急いでいます。憲法が最大の危機を迎えるのにあと12日です。 そこには審議も採決も強行採決もありません。
(聞けばワールドカップが始まってしまえば、こっちのものと安倍さんやそれを支える議員や官僚はほくそえんでいると)
どこまでごまかそうとする姑息なやり方に徹する人たちなのでしょう。S.H.
[その2へ続く]
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