*

ヒロシマナガサキ

公開日: : 最終更新日:2014/08/19 作品紹介, 原爆・放射能を考える

hn

白い光、黒い雨、あの夏の記憶―『はだしのゲン』の中沢啓治氏ら14人の被爆者と、原爆投下に関与した4人のアメリカ人の証言を軸に25年の歳月をかけて完成させたヒロシマ・ナガサキの真実。
日本の人口の75パーセントが、1945年以降の生まれとなった今、決して風化させてはならない語り部たちの証言。

日系3世の監督が25年を書けたドキュメンタリー。14人の被爆者と原爆投下に関わった4人のアメリカ人の証言から原爆の真実を映し出す。

作品情報
 
監督(製作年)スティーブン・オカザキ(2007年)
製作マクザム
貸出・販売先シグロ 〒164-0001東京都中野区中野5-24-16 (TEL 03-5343-3101)
価格DVD販売 3,024円
公式HPhttp://www.cine.co.jp/detail/0111.html

被爆者14人の証言 勇気という名の希望

本作は、アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞に輝いたスティーヴン・オカザキ監督が、25年の歳月をかけて完成させた渾身のドキュメンタリー映画である。
広島、長崎の原爆投下から60余年を経た今、日本でも記憶が薄れつつあるが、アメリカをはじめ世界の多くの人々はいまだその被害の実態を知らず、被爆者の 現実についてもほとんど知られていない。原爆の被害に対する認識と関心を、世界に呼び起こしたいと考えたオカザキ監督は、被爆者が高齢化していくなか、せ きたてられるように日本を訪れ、実に500人以上の被爆者に会い、取材を重ねた。

14人の被爆者の証言と、実際の爆撃に関与した4人のアメリカ人の証言を軸に、貴重な記録映像や資料を交え、ヒロシマ・ナガサキの真実を包括的に描いた本作。被爆者の想像を絶する苦悩に向き合い、彼らの生きる勇気と尊厳を深く受け止め、私たち観る者を圧倒する。

今、作らなければ 今、伝えなければ

スティーヴン・オカザキ監督は1952年ロサンゼルス生まれの日系3世。英訳の「はだしのゲン」を読み広島、長崎の原爆投下に関心を深めたオカザキは、 1981年に広島を初めて訪れ、被爆者を取材した第1作「生存者たち」(82)を発表。日系人強制収容所を描いた作品「待ちわびる日々」(91)でアカデ ミー賞ドキュメンタリー賞を受賞した。
アメリカでは原爆投下が「戦争を早期に終わらせ、日米両国民の命を救った」との認識が強い。オカザキ監督はヒロシマ・ナガサキの事実を伝え、核の脅威を世界に知らしめることを自分の役目と考えるようになる。
被爆から50年の1995年、米スミソニアン協会で開催される予定だった原爆展は日本側の期待も大きかった。しかし、米国内の猛反発で中止になり、展示に ともなう彼の映画製作も突然中止になった。このことは彼に大きな精神的痛手を与えたが、それでも取材をあきらめることなく続け、胎内被爆の現実にも迫った 中篇「マッシュルーム・クラブ」(05)は2005年アカデミー賞にノミネートされた。

そして2007年、アメリカHBOドキュメンタリーフィルムの援助により完成した「ヒロシマナガサキ」は彼のこれまでの映画人生のひとつの到達点ともいえる。

いつか来た道に、ふたたび戻らないために

現在、世界には広島に落とされた原子爆弾の40万個に相当する核兵器があるといわれる。また2001年9月11日の同時多発テロ以降、世界的緊張とともに核拡散の危機が急速に高まり、核兵器による大量殺戮が現実化する恐れも出てきた。

このような状況のなか、「ヒロシマナガサキ」は、2007年、広島に原爆が投下された日である
8月6日に、全米にむけてテレビ放映される予定である。本作は、アメリカのみならず世界中の人々に、広島、長崎で何が起きたかを知らしめ、核兵器の脅威に対して強い警鐘を鳴らす作品になるだろう。

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

関連記事

白バラの祈り1

白バラの祈り ゾフィー・ショル 最後の日々

映画『白バラの祈り ゾフィー・ショル 最後の日々』 「大統領緊急令」「全権委任法」によってリベ

記事を読む

第2回国分寺憲法をる映考え画の会20220717オモテ

闇に消されてなるものか 写真家 樋口健二の世界

映画『闇に消されてなるものか 写真家 樋口健二の世界』 【上映情報】 第2回 憲法を

記事を読む

無知の知オモテ

無知の知

無知の知   【映画の概要】 私は私自身が「原発」について「何も知らない」ということ

記事を読む

第69回「憲法映画祭2023」4月8日原稿(うりずん改訂版)オモテ

憲法映画祭2023

憲法映画祭2023   憲法映画祭2023(第69回憲法を考える映画の会)         

記事を読む

第57回「地の塩」「人らしく生きよう」20201103・23(10月10日入稿時オモテ)

第57回憲法を考える映画の会『地の塩』

第57回憲法を考える映画の会『地の塩』 【上映会案内】 と き:2020年11月3日(火・休

記事を読む

hidden-scars-jinhee-lee

隠された爪跡 関東大震災朝鮮人虐殺記録映画

隠された爪跡 関東大震災朝鮮人虐殺記録映画 Hidden Scars: The Great Kan

記事を読む

禁じられた歌声_poster_01

禁じられた歌声

禁じられた歌声 監督:アブデラマン・シサコ 2014年/フランス・モーリタニア映画/97

記事を読む

Hirokawa_B5_H1_N_ol

映画『広河隆一 人間の戦場』

映画『広河隆一 人間の戦場』 監督:長谷川三郎 2015年/HD/日本/98分/ドキュメンタリー

記事を読む

annai

戦争案内

明治以来日本が起こした戦争は、いったい誰がなぜ始めたのだろうか?アジア各国への長年の 取材と

記事を読む

煙突屋ペロー

煙突屋ペロー

『煙突屋ペロー』のご紹介 貴重な戦前アニメーション

記事を読む

ad

ad


2025年8月30日むのたけじ反戦塾節目の学習会チラシ案(20250815)オモテ
むのたけじ反戦塾 節目の学習会

むのたけじ反戦塾 節目の学習会 「戦争はいらぬ 戦争をやらぬ世へ」

第83回「陸軍」案内チラシ入稿原稿オモテ
第83回憲法を考える映画の会『陸軍』

第83回憲法を考える映画の会『陸軍』(2025年8月11日)  

第82回「琉球弧2025 」「拝啓住民投票さま20250628案内チラシ20250605(入稿時)オモテ
第82回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな 2025』『拝啓 住民投票さま 石垣島のまんなかで起きたこと』

第82回憲法を考える映画の会 『琉球弧を戦場にするな 2025』

2025年5月24日第12回むのたけじ反戦塾チラシオモテ
第12回むのたけじ反戦塾

第12回むのたけじ反戦塾 日時:2025年5月24日(土)13:30

第81回憲法映画祭202520250321修正版オモテ
憲法映画祭2025

憲法映画祭2025 (第81回憲法を考える映画の会) 日時:202

→もっと見る

PAGE TOP ↑