上映会にインターネットTVの取材が来ました。
公開日:
:
最終更新日:2025/07/06
ごまめのはぎしり
前回の『横浜事件を生きて』の上映会には,テレビ朝日系のインターネット報道番組(AbemaTV「AbemaPrime」)の取材が来ました。
「本当に聞きたいこと、知りたいことを正面から伝えていくニュース番組」が「テロ等準備罪は必要か?」について論議する、と言う企画だというので、共謀罪の危険を少しでも知らせる役に立てばと思って取材を了解しました。
取材は丁寧に行われて、スタッフもマジメな話しぶりで、「放送」での紹介も不満を感じるものではありませんでした。
私たちへのビデオ取材は,言わばその後の白熱論争の前座のようなもので5分足らずだったのですが、その後のスタジオでの論争は「ちょっと、なあ」と不満を感じるものでした。
というのは、「朝までテレビ」のような調子で、共謀罪に賛成側として自民党の平沢勝栄さん、反対する側として弁護士の海渡雄一さんという形での論争が始まります。
平沢勝栄さんの話すことはその内容も話し方もまあ、それなりにまっとうなのですが、司会をしているタレント(残念ながら名前を私は知らない)が良くない。白熱論争を盛り上げる意図なのでしょうか、わざと挑発的な言い方を並べてまともな論争にさせない節が感じられました。
最終的には、海渡さんが共謀罪の危険性について説明しようとするのを止めて、「でもテロが起きたらどうするのか、あんた方はその対案をもっているのか」「家族がテロに巻き込まれて被害を受けるのが私は怖い」という理屈しか並べません。
ただ、我慢しながらこのタレントの言っているのを見ていて、ふと思ったことがありました。
ずいぶん以前に、比較的保守的な考え方の若い友だち、彼の考えは私とは考え方が違っていたのですが、それでもよくこうした論争に乗ってくる私は好きな友だちだったのですが、結局、話の最期は、「でも戦争になったらどうするんだ?」「攻めてこられたらどうするんだ?」になってしまう。
そのことから考えたのですが、こうした「攻めてきたらどうするんだ」ということで論理的な話を遮ってしまうのは,「ショックドクトリン」の常套手段だな、と。
つまりこのところ政権や与党がよく使っている共謀罪→テロ等準備罪などの「言い換え」。その中身についてわかるようにつけた題名(法律名)ではなく、中味の説明をすり替え、論理的な議論をつぶしていく、あまり多くを考えたがらない国民に危機感のみを煽る「ショックドクトリン」なのだな、と連想しました。
戦前の「軍機保護法」が「(特定)秘密保護法」に、言い換え、すり替えられ、「共謀罪」が「テロ等準備罪」に名前を変えて、「あんたはテロに反対しないのか」と迫る。それが通ると,その手法にますます味をしめ、次はきっと「緊急事態条項」の憲法「改正」へと進みます。
憲法のためにも、まず当面の「共謀罪法」を通さないようにしなければ、インターネットTVの司会タレントの話しぶりから、そんなことを考え、「共謀罪法」反対のためにさらに闘っていかねばと意思を強くしました。S.H.
ad
関連記事
-
-
「平和ブランド」に傷
「平和ブランド」に傷 8月12日東京新聞記事(こちら特報部) 69年前の8月、日本人の多くが心から
-
-
【ご紹介】「日本政府の“邦人擁護”の実績は?(大貫 康雄)」
「【大貫 康雄】日本政府の“邦人擁護”の実績は?」のご紹介 集団的自衛権行使容認の閣議決定をめ
-
-
各新聞「集団的自衛権」社説見出しの比較
各新聞「集団的自衛権」社説見出しの比較 東京新聞記事7月8日「こちら特捜部」では地元紙の「集団的自
-
-
「集団的自衛権」書籍のご案内
「集団的自衛権」を考える4冊の書籍のご案内 いまこそ、憲法と集団的自衛権についての知識をパワーアッ
-
-
【報告】「安倍政治と平和・原発・基地を考える緊急集会」に行ってきました。
【報告】「安倍政治と平和・原発・基地を考える緊急集会」に行ってきました。 明治大学に「街宣車が来る
-
-
小平でもで考えたこと(子供たちにどう話せるか?)
【報告】小平デモに5日の日、行ってきました。 デモ行進がはじまる前のスピーチの最後は親子連れでした
-
-
北海道新聞「映画で憲法考えよう」紹介
北海道新聞「映画で憲法考えよう」紹介 7月11日の北海道新聞の「『不戦』どこへ」という記事の一
-
-
軍隊のこと、軍人のこと、兵隊のこと、兵士のことをもっと考えたい。
軍隊のこと、軍人のこと、兵隊のこと、兵士のこともっと考えたい。 昨日の「第2回憲法を考えるちいさな
-
-
「第2回憲法を考える映画の会ちいさな映画会」のご案内
「第2回憲法を考える映画の会ちいさな映画会」(試写会)のご案内 「第2回憲法を考える映画の会ちいさ
-
-
琉球新報記事「海が戦場 県人犠牲」
琉球新報特集記事「海が戦場 県人犠牲」 8月13日琉球新報では「沖縄戦70年」の特
ad
- PREV
- 映画「小林 多喜二」
- NEXT
- 武器なき斗い


Comment
ありがとうございました。
コメントを参照するのが不具合のまま、1年近くたってしまいました。
急ぎ(?)修正しました。
今後ともどうぞ宜しくお願いします。