*

上映会にインターネットTVの取材が来ました。

公開日: : ごまめのはぎしり

前回の『横浜事件を生きて』の上映会には,テレビ朝日系のインターネット報道番組(AbemaTV「AbemaPrime」)の取材が来ました。
「本当に聞きたいこと、知りたいことを正面から伝えていくニュース番組」が「テロ等準備罪は必要か?」について論議する、と言う企画だというので、共謀罪の危険を少しでも知らせる役に立てばと思って取材を了解しました。

テロ等準備罪は必要か?

取材は丁寧に行われて、スタッフもマジメな話しぶりで、「放送」での紹介も不満を感じるものではありませんでした。
私たちへのビデオ取材は,言わばその後の白熱論争の前座のようなもので5分足らずだったのですが、その後のスタジオでの論争は「ちょっと、なあ」と不満を感じるものでした。

というのは、「朝までテレビ」のような調子で、共謀罪に賛成側として自民党の平沢勝栄さん、反対する側として弁護士の海渡雄一さんという形での論争が始まります。
平沢勝栄さんの話すことはその内容も話し方もまあ、それなりにまっとうなのですが、司会をしているタレント(残念ながら名前を私は知らない)が良くない。白熱論争を盛り上げる意図なのでしょうか、わざと挑発的な言い方を並べてまともな論争にさせない節が感じられました。

最終的には、海渡さんが共謀罪の危険性について説明しようとするのを止めて、「でもテロが起きたらどうするのか、あんた方はその対案をもっているのか」「家族がテロに巻き込まれて被害を受けるのが私は怖い」という理屈しか並べません。

ただ、我慢しながらこのタレントの言っているのを見ていて、ふと思ったことがありました。

ずいぶん以前に、比較的保守的な考え方の若い友だち、彼の考えは私とは考え方が違っていたのですが、それでもよくこうした論争に乗ってくる私は好きな友だちだったのですが、結局、話の最期は、「でも戦争になったらどうするんだ?」「攻めてこられたらどうするんだ?」になってしまう。

そのことから考えたのですが、こうした「攻めてきたらどうするんだ」ということで論理的な話を遮ってしまうのは,「ショックドクトリン」の常套手段だな、と。

つまりこのところ政権や与党がよく使っている凶暴罪→テロ等準備罪などの「言い換え」。その中身についてわかるようにつけた題名(法律名)ではなく、中味の説明をすり替え、論理的な議論をつぶしていく、あまり多くを考えたがらない国民に危機感のみを煽る「ショックドクトリン」なのだな、と連想しました。

戦前の「軍機保護法」が「(特定)秘密保護法」に、言い換え、すり替えられ、「共謀罪」が「テロ等準備罪」に名前を変えて、「あんたはテロに反対しないのか」と迫る。それが通ると,その手法にますます味をしめ、次はきっと「緊急事態条項」の憲法「改正」へと進みます。

憲法のためにも、まず当面の「共謀罪法」を通さないようにしなければ、インターネットTVの司会タレントの話しぶりから、そんなことを考え、「共謀罪法」反対のためにさらに闘っていかねばと意思を強くしました。S.H.

 

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

関連記事

51lsHl6FmmL._SL500_SL160_

書籍「漫画家たちの戦争」のご案内

書籍「漫画家たちの戦争」のご案内 昨年刊行された全集ですが、こどもたちに戦争をどう伝えるかをマンガ

記事を読む

琉球新報140611

「憲法を考える映画のリスト」が琉球新報に紹介されました。(2014年6月11日)

「憲法を考える映画のリスト」のご報告 5月24日の第12回憲法を考える映画の会」の時に「憲法を考え

記事を読む

640px-Gojira_1954_Japanese_poster

『GODZILLA』

映画『GODZILLA』を見に行ってきました。 おすすめの関連図書でご紹介した『映画で憲法を学ぶ』

記事を読む

東京新聞「平和ブランドに傷」

「平和ブランド」に傷

「平和ブランド」に傷 8月12日東京新聞記事(こちら特報部) 69年前の8月、日本人の多くが心から

記事を読む

亡国の安保政策

栁澤協二さん講演「迷走する集団的自衛権」+αのご紹介

栁澤協二さん講演「迷走する集団的自衛権 政府の言う15事例は現実に起こりうるのか?」のご紹介 9月

記事を読む

標的の村in キタナラ

【報告】上映会「『標的の村』in キタナラ」に行ってきました!

【報告】上映会「『標的の村』in キタナラ」に行ってきました! 「憲法を考える映画の会」の準備会メ

記事を読む

栁沢さん講演3

報告 「栁沢協二さんの講演『迷走する集団的自衛権』」から

報告「9条フェスタ市民ネット学習会」で栁沢協二さんの講演『迷走する集団的自衛権』を聞きました。

記事を読む

140619文京区民センター

【報告】「安倍政治と平和・原発・基地を考える緊急集会」に行ってきました。

【報告】「安倍政治と平和・原発・基地を考える緊急集会」に行ってきました。 明治大学に「街宣車が来る

記事を読む

憲法9条、未来をひらく1

『9条の会』パンフレットの中の「憲法9条、未来を開く」のご紹介

『9条の会』パンフレットの中の「憲法9条、未来を開く」のご紹介 集団的自衛権行使容認をめぐる閣

記事を読む

本会のコラム7月2日山口二郎

泣く子はきちんと叱り、地頭の横暴は許さないようにしましょう!

泣く子はきちんと叱り、地頭の横暴は許さないようにしましょう! 東京新聞の「本音のコラム」は7人の書

記事を読む

ad

ad


第82回「琉球弧2025 」「拝啓住民投票さま20250628案内チラシ20250605(入稿時)オモテ
第82回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな 2025』『拝啓 住民投票さま 石垣島のまんなかで起きたこと』

第82回憲法を考える映画の会 『琉球弧を戦場にするな 2025』

2025年5月24日第12回むのたけじ反戦塾チラシオモテ
第12回むのたけじ反戦塾

第12回むのたけじ反戦塾 日時:2025年5月24日(土)13:30

第81回憲法映画祭202520250321修正版オモテ
憲法映画祭2025

憲法映画祭2025 (第81回憲法を考える映画の会) 日時:202

2025年2月24日第11回むのたけじ反戦塾チラシオモテ
「戦争はいらぬ、戦争をさせぬ世へ」第11回 むのたけじ反戦塾

「戦争はいらぬ、戦争をさせぬ世へ」第11回 むのたけじ反戦塾

第80回「ガザからの報告 」20240320案内チラシ20250130(圧縮版)2
第80回 憲法を考える映画の会 『ガザからの報告』

第80回 憲法を考える映画の会 『ガザからの報告』 第80回 憲

→もっと見る

PAGE TOP ↑