憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (36) 『グッバイ・レーニン!』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (36)
『グッバイ・レーニン!』
(初出2005年1月3日掲載 I.M.さん記)

主人公の母、クリスティアーネは、東ドイツの「社会主義」を信じていたが、息子のアレックスは、SED(社会主義統一党)の支配に反発し、デモに参加する。
息子がデモに参加しているのを目撃した母クリスティアーネは、心臓発作を起こし昏睡状態に陥ってしまう。
そして母が昏睡状態の間にドイツは再統一してしまう。
医師から再度ショックを受けると死んでしまうかもしれないといわれたアレックスは、母に東ドイツが亡くなってしまったことを伝えられない。
旧東ドイツのピクルスを必死に探したり、ジャムのラベルを張り替えたり、友だちと一緒にニュース番組を作成したり、アレックスは母のために消滅した「東ドイツ」を作り続ける。
作品は、ヒューマンタッチで家族の絆を描いているが、同時に再統一したドイツの現実に対する視線も忘れてはいない。
再統一から15年、ベルリンの壁で市民が踊り抱き合った熱気もすでに醒めている。
旧東ドイツ地域での失業率は依然として高く、極右の伸張も懸念されている。
旧東ドイツの民主化を求めた当時の「市民運動」も、再統一の過程のなかでは後景へと退けられてしまった。
こうした状況のなかで、作品は東ドイツの体制を批判しつつも、単純に統一ドイツを賞賛しているわけではない。
むしろ、アレックスが母のために作ったニュースのなかに、あるべき社会の希望を託しているかのようである。
本作品は、2003年にドイツで公開されると同時に、ドイツの歴代記録を塗りかえる大ヒット作品となった。
日本での公開は、2004年2月。舞台はドイツだが、そのメッセージは普遍である。未見の方には、ぜひお勧めしたい。
| 【製作年】 2003年 【製作国】 ドイツ 【監督】 ヴォルフガング・ベッカー 【出演】 ダニエル・ブリュール カトリーン・サーズ チュルバン・ハマートヴァ マリア・シモン |
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