憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (110) 『戦場のアリア』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (110)
『戦場のアリア』
(初出2006年6月19日掲載・H.T.さん記)
第一次大戦下の実話を基にした映画です。
1914年のフランス北部の村。ドイツ軍とフランス・スコットランド連合軍は、塹壕を築き、熾烈な砲弾戦を戦っていました。
その距離わずか数十メートル。クリスマスだけは家族のもとへ帰りたいと兵士の誰もが願っていました。
訪れたクリスマスの夜。
ドイツ軍の塹壕には10万本のクスマス・ツリーが届けられ、テノール歌手の歌声が響きます。
すると、スコットランド軍は塹壕からバグパイプの伴奏で応じました。
やがて3か国軍の兵士たちによる「聖しこの夜」の合唱が始まりました。一夜だけの休戦です。
前線の兵士たちは、敵味方なく平和を望んでいます。
だからこそ、このような「奇跡」は起こりました。
しかし、映画のラストは、軍上層部に罰せられ、厳しい闘いを続けているロシア戦線へ送られるドイツ兵たちの姿で終わります。
実際の第一次大戦はどうなったでしょうか。
1918年11月、ドイツのキール軍港では水兵たちが出動命令を拒否し、
その反乱は全国に波及して皇帝を退位させ共和国を樹立、戦争を終結させました。
兵士たちは「奇跡」だけでは終わらせませんでしたが、それまでにあまりにも多くの犠牲者を出し過ぎました。
なおロシアでは、帝政を倒した兵士たちは、1918年3月に停戦を実現させていました。
ところで、現代の戦争は「一夜の停戦」もありません。戦争の根が深刻さを増しているように思います。
【映画情報】
制作:2005年 フランス/ドイツ/イギリス/ベルギー/ルーマニア合作
監督:クリスチャン・カリオン
時間:117分
主な出演者:ダイアン・クルーガー/ベノン・フユルマン/ギョーム・カネ/ゲイリー・ルイス/ダニー・ブーン
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