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第79回 憲法を考える映画の会 『映画 〇月〇日、区長になる女。』

第79回 憲法を考える映画の会 『映画 〇月〇日、区長になる女。』

第79回「〇月〇日、区長になる女。」20240112案内チラシオモテ

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第79回 憲法を考える映画の会

日時:20251月12日(日)13時半〜16時半
会場:文京区民センターA会議室
プログラム
13
30〜1340 この映画について
13
45〜1530 映画『映画 〇月〇日、区長になる女。』上映(110
1
5401630 トークシェア(話者、交渉中です)
         参加費:一般 1000円 若者 無料
(当日、会場でお支払いください。予約不要でどなたでも参加できます)
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上映会チラシpdfのダウンロードはこちらから
チラシ送り状「あとおいニュース」のpdfはこちらから

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映画『映画 〇月〇日、区長になる女。』

 人口57万人、有権者数47万人という規模の区長選にも関わらず、わずか187票差で決着した2022年 杉並区長選挙。この選挙に立候補し現職を破った岸本聡子と彼女を草の根で支えた住民たちに密着したドキュメンタリー映画 日、区長になる女。

 監督は杉並区在住の劇作家・演出家ぺヤンヌマキ。彼女が長年住むアパートが道路拡張計画により立ち退きの危機にあることを知り、止める方法を自身で調べ動き始めたのが本作制作のきっかけです。
監督
自身が地域問題の当事者となり、今まで無縁の世界だった選挙、政治の世界へカメラ片手に飛び込み、住民たちと連携し、学び悩む記録でもあり、それ以上に候補者と支援者たちと悩み考えぶつかりながら、合意形成のため対話を積み重ねていくリアルなやり取りが数多く記録されています。「この選挙方法で良いのか?」「住民要求とは?」「政策とは?」「そもそも公共とは?」

 本作主題歌は、杉並区民が作った応援歌ミュニシパリズムを、黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)がカバーした黒猫同盟のミュニシパリズム。「ミュニシパリズム」とは、地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方で、本作の重要なテーマとなっています。
そして
選挙後に起こった動きに、新たな光を感じます。
私たち
の生活は、政治と繋がっている、もう黙っていられない。
日、次はあなたかもしれない。

DSC_0033s ペヤンヌアー写

 

監督ペヤンヌマキ コメント

こんにちは、杉並区に住んで20年になるペヤンヌマキです。
 私が住んでいる閑静な住宅街に大きな道路を通す計画があることを知りました。
計画が進むと
私の家は立ち退きになってしまいます。
自分の
ことに精一杯で社会問題のことなんてちっとも考えてこなかった私ですが、
自分の住まいが奪われる危機に直面して初めて、
政治や選挙が私たちの生活につながっていることに気づきました。

 そして・・・カメラを回し始めました。投票率を少しでも上げるために。
 本当は、猫とまったりお昼寝したり、お気に入りの川沿いを散歩してバードウォッチングを楽しんだりしていたかっただけなんです。
だけど黙っていたら、この生活が奪われてしまう。
もう黙っちゃいられない!これは現在私に起きていることであり、杉並区で起きていることであり、どこでも誰にでも起こりうること。

映画〇月〇日、区長になる女。』オフィシャルサイトより)

映画〇月〇日、区長になる女。』オフィシャルサイト

https://giga-kutyo.amebaownd.com/

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【この映画上映会に選んだ理由そして映画を見て、考えたいこと

 私がはじめてこの映画を映画館で見たのは、今年(2024年)の2月のことです。映画の後のトークで監督のペヤンヌ・マキさんの話を聞いて、即、自分たちでも上映会を行いたい、出来ればちいさな規模の上映会でもあちこちで拡げたいと思いました。

その理由の一つは、ごくふつうの、それまで(多分)これといった政治的な活動をしたことをしてこなかったペヤンヌマキさん自身が始めた住民活動、それが、この映画を作ることだったこと。「自分の住まいが奪われる危機に直面して始めて政治や選挙が私たちの生活につながっていることに気付きました。」

ペヤンヌマキさんのあまり肩に力の入っていないごく普通の人の感覚が「自分と(おそらく)同じじゃん」と親近感を感じ、素敵でした。

ふたつ目。「憲法を考える映画の会」をもう80回近くやってきましたが、この頃「憲法を考える」ってそんな天下国家を大上段に唱えるってことじゃなくて、もっと生活の身近なところから、出来ることをコツコツ始めるってことじゃないかと思うようになってました。

憲法が言っている「生活と社会の理想」を、まわりの人と力を合わせて少しでも実現させていくことじゃないかと思ってましたが、そんな時、この映画に表された「ちいさな力が戸惑いながらも少しづつつながってそれが成果を作り出す」過程がとても魅力的でした。

三つ目。映画を見て考えるということ。自分たちの身の回りをそれぞれ見回してみる。そして「みんなのことはみんなで考える」(映画の中の選挙事務所に書かれた言葉です。)そこに民主主義があると思ってます。

「民主主義って何だ!」をキャッチフレーズにした運動がありましたが、この映画が表しているのは、その答え、「民主主義ってこれだ!」。

そうこころから言える民主主義。「多数決」だけじゃ。話し合って、智恵や考えを出し合って、人の言ってることにていねいに耳を傾けて、いちいち納得しながら進めていく、そうしてつくっていくことが大切なんだと思ったのです。

是非、この映画を一つのきっかけとしていろいろいろいろ考えていきたいと思うのです。

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映画感想文 映画『映画 〇月〇日、区長になる女。』

この映画の冒頭に、映画のもうひとつの主人公とも言えるアケボノスギ、その根元から梢のてっぺんまでをドローンで捉えた場面があります。カメラが上がって行くにしたがって、その向こうに多くの人びとの生活の場、「地域」の拡がりが見えてきます。そこでこれから繰り広げられていく住民の活動、なかなか絵にしにくい「地域」のイメージが具体的になる場面です。(中略)

 「みんなのことはみんなで決める」

区長選挙の開票の日、選挙事務所の前で大きな紙に書かれた何行かのコール文句の最初のことばです。この紙を掲げた選挙応援の人たちが言います。「当選しても私たちは万歳三唱はしません、その代わりに声を合わせて次のようなコールします」。

コールのラストは、『選挙は続くよどこまでも』で締められています。「選挙に負けたとしても、このコールをしよう」、選挙結果が知らされる直前には、そんな声もかわされていました。

「草の根から民主的な政治を取り戻す」。民主的な政治?それをどうやって実現する?そのプロセス自体が、この映画が描きたかったもの、そのものであるようです。ふとドキュメンタリー映画『私たちの自由について〜SEALDs2015』の中で聞こえた「民主主義って何だ、これだ!」と言う国会前に集まった人々のコールが頭をよぎりました。

 「ミュニシパリズム」

ミュニシパリズムと言うのだそうです。「地域に根付いた自治的な民主主義を重視する考え方」です。主役はあくまで区民、住民。住民自治こそが民主主義。

それは、この映画の主人公の岸本聡子の区長、区政へのチャレンジであると共に、カメラを持って撮り始めたペヤンヌマキ監督にとってもチャレンジだったのだろうと思います。自然体というか、肩に力の入っていないアプローチに見えながら、きっと途中では、落ち込んだり、投げ出したくなったりしたこともたくさんあって、先行きのはっきりしないチャレンジが続いたのでしょう。

「民主主義ってこれだ」

よく撮り続けたなあと思う名場面がいくつかあります。そのひとつ、岸本さんを区長候補に推しだした市民活動の最長老、小関啓子さんとの夜の街中での議論。「要求と政策は違う」。なかなか意見が一致しなくて、それはそれで困ったことなのですが、どちらも避けず、逃げず、妥協せず、話し合っていくところ。カメラは延々とそれを撮り続けています。「どうなるんだろう」と言う撮影者のドキドキ感が伝わってくるようです。きっとこうしたやり取りが、ほかの選挙応援の人ひとりひとりと続けられ、この選挙運動がつくられてきたのでしょう。民主主義ってこれだ、と思います。

今の政治に異議申立をしていく、変えていくには、こうすればできるという映画ではありません。こうやれば選挙に勝てるという方法を描いた映画でももちろんありません。住民運動や、自治を自分のこととして、住民がひとりひとり自分の足元をしっかり捉え、生活を見つめ、そこから自分たちは何ができるか、その方法を作り出していくしかないことをこの映画は実感を込めて描いています。

それは、政治を自分たちのものにして行くための、民主主義のおそらく一番難しいことと思います。でもそうしたことが自覚できているからこそ、いろいろな困難も克服して、「こうしたい」と思うものが共有でき、その熱意が集まり、エネルギーが出るんだと思います。新しい情況を創っていく喜び、その確かな実感にあふれています。変えていく運動にはそれが必要なんだろうと思います。

この映画を自主上映の形で拡げて、できるだけ多くの人に見てもらいたいと思いました。

ひとりひとりの住民が、身近なところから政治を考え、「住民自治とは?」「公共とは?」を考えていくきっかけにしたい。自分たちにできる行動の第一歩にこの映画を「利用」させていただきたいと思っています。未来への希望に満ちた新しい市民映画です。

【スタッフ】

出演:杉並区民のみなさま
撮影:ペヤンヌマキ 古貝暁人 松尾雅人
音楽:黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子) 向島ゆり子 ブランシャー明日香
MA:高梨智史
素材提供:田中創 畠山理仁 デモクラシータイムス
写真:田中創
制作協力:田川友紀 古澤祐介 山口永詩
法律監修:三浦佑哉
宣伝協力:半田百子(momocan) 山口雅
プロデューサー:松尾雅人
監督:ペヤンヌマキ
製作・配給・宣伝・著作:映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会
2024年製作/110分/日本映画

『映画 ◯月◯日、区長になる女。』オフィシャルサイト:https://giga-kutyo.amebaownd.com/
(自主上映の問合せもこちらから
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=dSwzB1oZ7To

【憲法との関連】#地方自治 #公共の福祉 #国民主権・民主主義 #参政権

(法学館憲法研究所「シネマde憲法」2024年2月23日 映画『映画 〇月〇日、区長になる女。』より https://www.jicl.jp/articles/cinema_20230223.html)

 

 

 

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