憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (35) 『ニュースの天才』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (34)
『ニュースの天才』
(初出2005年1月3日掲載 R.S.さん記)
『ニュースの天才』は、「Vanity Fair」誌1998年9月号に掲載されたバズ・ビッシンジャーの記事を基にした、ノンフィクションの映画化である。
アメリカ大統領機、エア・フォースワンで唯一読まれている雑誌「THE NEW REPUBLIC」の人気ジャーナリストスティーブン・グラスは、若干25歳。
政財界のゴシップをはじめとするスクープ記事が注目を集め、売れっ子として人気を博する。
しかし、彼が書いた41のスクープ記事のうち、27の記事は彼によって捏造されたものだった。
アメリカの新聞は日本とは異なり、個人名を明記して読者を獲得する「スター記者システム」をとっているため、悪質な捏造事件が多発しているという。
2003年、イラクに侵攻したアメリカ軍の女性兵士ジェシカ・リンチが敵の捕虜になったとされた際の一連の救出劇が嘘であったというニュースは、まだ記憶に新しい。
政府のプロパガンダを無批判に垂れ流す傾向が広がっているアメリカおよび日本のメディア。
ニュースは果たして真実を伝えているのだろうか?という疑問は、混迷する現実の世界を前にしたとき、より深刻な様相を呈する。
映画ではまた、アメリカメディアの「自らの誤報には自らで徹底的に検証する」という成熟性をも伺い知ることができる。
民主主義の一翼を担うものとしての自覚とプライドを有してきたメディア。
その歴史のなかで培われてきた「真実」に対する厳しさは、いまだ失われてはいない。
この自浄作用こそが、アメリカのもつ本来の「強さ」なのかもしれない。
| 【原題】SHATTERD GLASS 【製作】2003年 アメリカ映画 【監督】ビリー・レイ 【原作】Shattered Glass 【出演】ヘイデン・クリステンセン、ピーター・サースガード、クロエ・セヴィニー他 |
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