憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(1) マーシャルロー
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(1)
マーシャル・ロー
(2004年6月28日掲載・I.M.記)
映画『マーシャル・ロー』
9.11前に9.11後の世界を予感させた作品。
NYでの連続テロの鎮圧のために、ついに戒厳令(マーシャルロー)が敷かれる。
FBIや軍など政権内部での人権観・安全保障観の違いも表れる。
デンゼルワシントン扮するFBI特別捜査官の「彼を拷問したら、
われわれが命をかけて戦ってきたものが全て無となる」という発言が
象徴的(もっともFBIの現実は映画のようでは必ずしもないだろうが)。
9.11後のアメリカ国内の状況の一端を示唆する作品でもあり、
マイノリティや「有事法制」といった問題に関心のある人には一見の価値がある。
ちなみに、原題は“THE SIEGE”であり、「族長」という意味である。
【製作】 1998年(アメリカ) 【監督】 エドワード・ズウィック 【出演】 デンゼル・ワシントン、ブルース・ウィリス他 |
〈ごあいさつ〉
法学館憲法研究所のホームページ〈シネマde憲法〉のコラムは、2004年6月28日から
憲法に(どこかで)関係する映画を紹介してきました。
憲法に関わっている方が交替で執筆される映画評は、なかなか視点が明確で、
こう言う映画なら是非見て見たいと思わせる文章でした。
映画が好きな人たちが書いている文章で、
かつ映画を見て憲法について考えることに役立てればという気持ちのこもっている文章でした。
ほぼ毎週、毎週、憲法に関わる映画を紹介してきた欄ですので、憲法についての映画を調べる時は
このページを見れば良いと思っていました。
あるとき、記事の古いものは掲載できない(現段階では2018年10月まで掲載)とのお話がありました。
そこでそれ以前の記事は文字データとしてコピーをいただきました。
そこで、1回目からのシネマde憲法の文章を、この「憲法を考える映画」のホームページに掲載し、
「憲法を考える映画」のデータベースにすることはできないかと
法学館憲法研究所の方にお願いして許諾いただきました。
これまで先輩たちが書いた記事に、映画の写真や映画の情報、リンクなども付け加えていきたいと思います。
「憲法を考える映画」ならあのページを見れば検索できる
と言うような役に立つページにしたいと思っています。
また、新しくできた(どこかで)憲法に関わる映画、古くても最近見つけた映画、
古今東西、劇映画やドキュメンタリーの区別なく加えていきたいと思います。
どうぞそのような映画や映画会もご紹介ください。
キーワードは「憲法を考える映画」です。
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