国際有機農業映画祭2018
公開日:
:
上映会
国際有機農業映画祭2018
と き:2018年11月18日(日) 10:00~19:45(開場 9:30)
ところ:法政大学市ヶ谷キャンパス 富士見ゲート棟 G201教室
http://www.yuki-eiga.com/
*上記の映画祭ウェブサイトから作品の詳細・予告をご覧いただけます。
〇上映スケジュール
10:00 海―消えたプラスチックの謎
11:15 狂った蜂2 〔本邦初上映〕
13:40 3分ビデオ(15分)
14:00 たねと私の旅 〔本邦初上映〕
15:50 シンポジウム これからを話そう
17:05 トマト帝国 〔本邦初上映〕
18:35 大平農園401年目の四季
19:45 閉会
~世の中、えらいことになるでえ
まだ、大丈夫、まだ、引き返せる。
別な選択がある。希望があるといい続けて十二年。
でも、今年は、現実をしっかり見よう、伝えよう。
次の世代に「えらい」ことを引き継がない。
自然に学び、多様な取組を生み出し、広げ、伝えていく機会としたい。
11月18日 10:05~
海 ― 消えたプラスチックの謎
欧州を中心に使い捨てプラスチック製品の使用禁止が打ち出されるなど、廃棄されるプラスチックによる環境汚染が大きな問題となっている。海に流れ出て漂う数十万トン以上のプラスチックの99%は行方不明だという。海でプラスチックに何が起こっているのか。
いろいろな形に成型が容易なプラスチックは、多種多様な用途に使われる。製造過程で燃えにくくしたり、成型しやすくするために多様な化学物質を加える。この添加剤の中には生殖毒性や神経毒性を持つものもある。このような有毒物質を持ったプラスチックが小さく分解し、数十ミクロンから5ミリほどの目に見えない大きさのマイクロプラスチックとなって海中を漂っている。そして、プランクトンに取り込まれ、あるいは直接に魚などに取り込まれて食物連鎖に入ってきている。新たな生態系「プラスチック生命圏」すら出来ているという。
英国沿岸のムール貝は100%マイクロプラスチックを含んでいるという研究結果がつい最近発表され、日本でもイワシの内臓からマイクロプラスチックが見つかったという研究もあるように、我々の食にもその脅威が忍び寄ってきている。
第4回 グリーンイメージ国際環境映像祭グリーンイメージ大賞受賞作品
11月18日 11:15~
狂った蜂2
2014年の台湾公共テレビの「狂った蜂」の続編である本作は、前作に続き環境の持続性について取り組む。2006年以降世界的に広がる蜜蜂の大量消失の問題以外に、農薬の汚染と人間の健康、そして蜜蜂のつながりを包括的に描く。ドキュメンタリーは18か月をかけ、農薬のミツバチの脳への影響の研究や、環境保護に取り組む養蜂家が直面する困難と圧力を取材し、また農薬管理を支持する科学者、公衆衛生を懸念する学者などをおいかける。取材は台湾、日本、アメリカと3か国にまたがり、多くの国の様々な立場の人間を取材することで、多角的に環境と農薬、人の健康と生態系について考えさせる。
この10数年、ミツバチの大量死が続いている。その原因の一つとしてネオニコチノイド系農薬の有害性がはっきりしてきた。ハチばかりでなく人への影響も懸念されている。18年4月、世界に先駆けてEUは3種類のネオニコ系農薬の屋外使用禁止を決めた。農薬を使わない農業への動きも出てきている。
11月18日 14:00~
たねと私の旅
米国やカナダに遺伝子組み換えの表示義務がないことを疑問に感じた一人のカナダ人女性が、その謎を解こうとする。
女性の名前はオーブ。彼女の母親は食に関心が高く、毎年、自ら採ったたねをまき、野菜を育て、子どもたちに自分たちが食べている物の背景を知る重要性を教えていた。19歳になったオーブは実家を出て、初めて店で食材を選ぶようになる。ところが、食料品店で売られている出自の分からない食品に、戸惑ってしまう。時は1996年。最初の遺伝子組み換え食品が市場に出た年でもあった。そこへ母から送られてきたのは遺伝子組み換えに関する数々の書籍。はじめは関心が持てずにいたが、読み始めたら止まらなくなり、とうとうカメラを手に、取材を開始する。
なぜ遺伝子組み換えの食品が存在するのか。世界で60ヶ国以上に導入されている表示義務が、なぜカナダや米国にはないのか。答えを求め、オーブは旅に出る。取材を開始してから10年の歳月を経て、遺伝子組み換え表示の可否をめぐる問題から見えてきたものとは。そして、オーブの母親がその生涯を通して娘に伝えたかったこととは。
料理研究家でもあるオーブが作る、数々の美味しそうな料理も必見!
11月18日 17:05~
トマト帝国
南仏プロヴァンス。ある日、慣れ親しんできたトマト工場が中国資本に買収され、原料が中国から輸入された青いプラスチック容器に入った濃縮トマトになっていた。中国に飛んだ監督は、新疆ウイグル自治区の広大な農場で栽培される加工用トマトに出会う。あまりトマトを食べない中国が、なぜ、トマトを作り濃縮加工までして輸出するのか。貧しい出稼ぎ農民や児童労働によって収穫されたトマトが、増量剤や着色料を混ぜた濃縮トマトに加工され、ヨーロッパに輸出される。大きくて青いプラスチック容器の濃縮トマトは水を加えられ、合法的にイタリア産、欧州産のトマトケチャップやトマトソース、トマトジュースとして再輸出されるというからくりが浮かび上がってくる。
中国の加工トマト缶が席巻したアフリカでは、地元の零細トマト農家を叩きのめす。カナダでは、中国産濃縮トマトの顧客となったハインツの労働者は失職し、原料トマトを作っていた農家も納入先を失う。米国におけるトマト労働者の闘いの歴史や、現代の世界的なトマト産業の現状も明らかになる。濃縮トマトをたっぷりと使ったケチャップの味は苦く、自由主義の匂いをまとい、移民の血の色に染まっている。
※2018年12月より貸し出し予定
11月18日 18:35~
大平農園 401年目の四季
東京・世田谷、住宅が立ち並ぶ一角に農地が現れる。400年続いている大平農園だ。
篤農家だったからこそ近代農業をいち早く取り入れ、先々代、先代(大平博四)とも農薬禍にあう。まだ有機農業という言葉のないころ、博四さんの義母の「江戸時代のやり方にすればいい」の一言で、農薬や化学肥料を一切使わない農業に切り替え、その技術を普及する努力もしてきた。
博四さんの妻の美和子さんが農園を引き継いでからも若いころ研修生だった波多野清さんを中心に、たくさんの人たちが畑にやってきて週2回の出荷を続けている。野菜をつくる人、食べる人、学ぶ人、学んだ人、集まってくる虫や草や鳥などすべての生きものが有機的につながっている空間。そんな1年を記録した。
大平博四さんについては亀井文夫、菊地周らによる『みんな生きなければならない』に詳しい(2009年、2014年に当映画祭で上映)。
ad
関連記事
-
自主制作・上映映画見本市#3
自主制作・上映映画見本市#3 と き:2020年1月13日(休・成人の日)(9:30—2
-
戦ふ兵隊 日本の悲劇
第37回憲法を考える映画の会 と き:2017年8月27日(日)13:30~16:30 ところ:
-
映画「小林 多喜二」
映画「小林 多喜二」 今井正監督 1974年制作 119分 多喜二プロダクション製作
-
飯舘村の母ちゃんたち 土とともに
飯舘村の母ちゃんたち 土とともに 原発事故から5年 古居みずえ監督が描く へこた
-
映画『OKINAWA 1965』
映画『OKINAWA 1965』 【上映案内】 第46回 憲法を
-
第72回憲法を考える映画の会『鶴彬 こころの軌跡』
第72回憲法を考える映画の会『鶴彬 こころの軌跡』 【上映会情報】 2023年10月21日(
-
第78回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな』
第78回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな』 ******************
-
闇に消されてなるものか 写真家 樋口健二の世界
映画『闇に消されてなるものか 写真家 樋口健二の世界』 【上映情報】 第2回 憲法を