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各新聞「集団的自衛権」社説見出しの比較

公開日: : ごまめのはぎしり

各新聞「集団的自衛権」社説見出しの比較

東京新聞記事7月8日「こちら特捜部」では地元紙の「集団的自衛権行使容認」が閣議決定された翌日の7月2日の社説・論説記事を比較していました。

「集団的自衛権」「全国紙 是非 互角のようでも(朝日・毎日vs読売・産経)」「地元紙は批判が圧倒(39紙反対vs賛成3紙)」「国民の声を反映」という見出しです。

記事に寄れば「閣議決定に賛成の読売、産経両紙を合わせた発行部数と、批判的な朝日、毎日両紙を合わせた部数はともに計約一千百万部。全国紙を見れば賛否は互角のように見えても、東京新聞など地元紙を含めれば、反対・慎重の論調が優勢と言える」と書いています。

東京新聞こちら特捜部

砺波にこの7月2日の全国紙の社説の見出しは、

朝日新聞「集団的自衛権の容認―この暴挙を超えて (2014年07月02日)」

読売新聞「集団的自衛権 抑止力向上へ意義深い「容認」 (2014年07月02日)」

毎日新聞「歯止めは国民がかける (2014年07月02日)」

日本経済新聞「助け合いで安全保障を固める道へ (2014年07月02日)」

産経新聞「集団的自衛権容認 「助け合えぬ国」に決別を (2014年07月02日)」

東京新聞「9条破棄に等しい暴挙 集団的自衛権容認 (2014年07月02日)」

新聞社説一覧 http://www.geocities.jp/ktaro38/20140702.html

(ちなみに、読売新聞の社説を読むとあきれると言うより、気分が悪くなってきます。もうもろ手を挙げて「安倍政権の快挙」とばかりの勝算の連打です。)

「…米国など国際社会との連携を強化し、日本の平和と安全をより確かなものにするうえで、歴史的な意義があろう。政府が、集団的自衛権の行使を限定的に容認する新たな政府見解を閣議決定した。安倍首相は記者会見で、「平和国家としての歩みを、さらに力強いものにする。国民の命と暮らしを守るため、切れ目のない安全保障法制を整備する」と語った。
行使容認に前向きな自民党と、慎重な公明党の立場は当初、隔たっていたが、両党が歩み寄り、合意に達したことを歓迎したい。
◆「解釈改憲」は的外れだ◆
安倍首相が憲法解釈の変更に強い意欲を示し、最後まで揺るぎない姿勢を貫いたことが、困難な合意形成を実現させたと言える。公明党は、地方組織を含む党内調整に時間を要したが、責任ある結論を出せたのは連立政権の一翼を担った経験の賜物たまものだろう。

(しゃくに障るので中略します、全文読みたい人はどうぞhttp://www.yomiuri.co.jp/editorial/20140701-OYT1T50151.htmlを)
本来は憲法改正すべき内容なのに、解釈変更で対応する「解釈改憲」とは本質的に異なる。むしろ、国会対策上などの理由で過度に抑制的だった従来の憲法解釈を、より適正化したと言えよう。今回の解釈変更は、内閣が持つ公権的解釈権に基づく。国会は今後、関連法案審議や、自衛権発動時の承認という形で関与する。司法も違憲立法審査権を有する。いずれも憲法の三権分立に沿った対応であり、「立憲主義に反する」との批判は理解し難い。
「戦争への道を開く」といった左翼・リベラル勢力による情緒的な扇動も見当違いだ。自国の防衛と無関係に、他の国を守るわけではない。イラク戦争のような例は完全に排除されている。(中略)
安倍首相は今後、国会の閉会中審査などの機会を利用し、行使容認の意義を説明して、国民の理解を広げる努力を尽くすべきだ。」

もう読売新聞の論説委員はテレも恥じらいもなく安倍首相が言っていることを言っていることをオウムのように言ってるだけです。安倍さんの言っていることをつゆ疑うそぶりもない。安倍首相が、何も説明せず、議論もせず、その場その場の言い逃れしかしてこなかったのは、国会での答弁や記者会見でも明らかなのにその場に居合わせた読売新聞の記者はそれを感じなかったのでしょうか、誰もそれを疑問に感じなかったのでしょうか?

かつて『フクシマの汚染水は完全にコントロールされている』と世界に言い放って、その後何の説明をしない首相です。 『イラク戦争のような例は完全に排除されている』と言う発言をどこまで信じているのですか?

いつも集会や学習会の情報をくれるS.N.さんがこんなメールをくれました。

NHKスペシャル「集団的自衛権容認は何をもたらすのか」のお知らせです。
2014年7月13日(日)午後9時00分~9時49分 リンクはこちら

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0713/index.html

NHKの劣化は樅井、百田、長谷川の着任以前に始まっています。原発事故に関しては東電の主張を裏付けるべくか地震でなく津波が原因と言い張り、TPPでは肝心なISDS条項を見事に外して特別番組を作りました。大越キャスターの政権寄りは今に始まったことではありません。今度の番組もそういうわけでろくでもないものではないかと思いますが、見ておくのもいいのではと思います。善男善女がこういう番組をみてやはり集団的自衛権は必要、と思っても困りますが、いったいどういうプロパガンダをしているか、という参考にはなるのでは。
がんばっている記者はいる、とか言いますが、こういう情けない局に成り果ててしまったのが嫌なら職員全員でストすればいいじゃないですか、と個人的には思います。

読売新聞の社説を読んでも、このメールを思い出しました。

読売新聞の中にも、今の安倍政権がまともな議論をしていないとわかる人はいるでしょうに、全員こんな社説でいいと思っているのだろうか。新聞社から「言論」が無くなったら何をする会社なのでしょう??

そんな風に考えたのは、それでも読売や産経やNHKしか見ない人は、そこに書かれていること、そこで語られていることが全てになってしまうのだろうな、と思ったからです。

その数一千百万部。「集団的自衛意見の閣議決定」賛成に近い日経新聞も加えると消して互角ではない。情報を与えられていない、疑問を持たない支持者がそれだけいると言うことです。恐怖に感じます。もうすでに、本来考えることを仕事にしている人が考えず、本来話すべき人が話さなくなって、論議しない社会になっているのでしょうか?

でも、東京新聞「こちら特報部」と同じページの「本音のコラム」を読んで大半は悔しかったけど、最終的にちょっと励まされました。

戦争はさせない140708

そう、反撃を決意して、知恵を練り、考えたことを表現する方法を考えましょう。

 

 

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