軍隊のこと、軍人のこと、兵隊のこと、兵士のことをもっと考えたい。
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ごまめのはぎしり
軍隊のこと、軍人のこと、兵隊のこと、兵士のこともっと考えたい。
昨日の「第2回憲法を考えるちいさな映画の会」で強く印象に残った場面の続き、きょうは『沈黙を破る』からです。
この映画は、2004年のガザ侵攻をパレスチナから捉えたと同時に、占領地に送られたイスラエルの元兵士たちが自らの加害行為を告白する内容が中心になっています。
占領地で絶対的な権力を手にし、次第に人間性や道徳心を失い、“怪物”となって行く若者たち。
こんなくだりがあります。

2004年10月 ガザ地区のラファ市で13歳の
少女が登校中に射殺された。
倒れた少女に対し ある将校が至近距離から
十数発の銃弾を浴びせた。
軍隊では「標的」の息の根を止めることを
「死の確認」と呼ぶ。しかしイスラエル当局は
この件を例外的な事件だと発表した。
ユダ・シャウール(元軍曹)「“死の確認”は軍での基礎訓練の初日から教え込まれる基本的な命令なのです。
問題は軍では占領地での行動と戦争時の行動を区別しないことです。
戦場での行動訓練を受けた私たちが戦争状態ではない占領地に投入された。

だから少女の“死の確認”が実行された。私も同じことをやったでしょう。
そういう指令なんです、そう訓練されるんです。
誰かが標的とされたら、それに向かって発砲する。さらに近づき 相手が完全に死んだことを確認する。
それが戦闘兵士の基本的な本能です。」
元兵士の母親の話「でも息子は実際に手を血で汚して生きてきました。その事実に 息子はこれから何年もきちんと向かい合わなければならない。簡単なことではない、でもあなた方の息子も同じです。
自分の息子を“殺人者”と呼ぶことは私にとってもつらいことです。

でも本人はもっとつらいはずです。殺した少女の夢にうなされるのだから」
私たちはこれまでも『9条を抱きしめて』や『アメリカばんざい』『アルマジロ』などの映画で、普通の人間が戦争によって人間でなくなって行くことを見てきました。
『沈黙を破る』のDVDジャケットでも「考えるのをやめたとき僕は怪物になった」というフレーズがキャッチになっています。
戦争がどうやって起きるのか、戦争をしないためにはどうしたら良いかを考えるとともに、もっともっとこのように人間を変えてしまう軍隊って何だ、兵隊って何だを考えたいと思いました。
そう考えてきて添付の東京新聞8月14日の本音のコラム「組織としての日本軍」。

国民的基盤の欠如と組織病理、旧日本軍の教訓は自衛隊に生かされきれてないようです。すぐ日本軍体質に戻りそうな恐れもあります。
おそらく多くの日本の旧兵士も「手を血で汚して生きてきた」ことに苦しんで生きたのだと思います。
その若者たちはいま85歳を越え、その苦しみを知らない若者たちが新たに海外に差し向けられようとしています。(すでにイラクはじめ各地に向かわされ、心的外傷にで苦しみ、自殺している若者が多数いるというのに、というべきか)
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