第13回憲法を考える映画の会のご案内
第13回憲法を考える映画の会のご案内
日時:7月19日(土)14時〜16時半
会場:東京体育鑑 第2会議室
映画:『ファルージャ─イラク戦争 日本人人質そして…』95分
映画の解説: 2004年にイラクで起きた日本人人質事件の人質となった高遠菜穂子さんと、今井紀明さんのその後を追ったドキュメンタリー。 事件発生当時、自分だけでな く家族までもが激しいバッシングの嵐にさらされた彼らの苦悩や葛藤、やがてようやくたどり着いた現在の日々にともる小さな希望の光を刻み付ける。 イラク 戦争後、10年が過ぎた今も混沌(こんとん)の中で生き、先天異常のある新生児誕生率の高さに苦悶(くもん)するイラクの人々の姿や、戦火の激しさに言葉 を失う。
映画のあらすじ: 2013年1月、テレビ制作会社勤務の伊藤めぐみは、高遠菜穂子さんの取材のために戦争が激化しているイラク・ファルージャを訪れる。 彼女は9年前にこの街でイラク人武装グループに拉致され監禁状態となった3人のうちの1人で、帰国後は全員が批判の嵐にさらされる。 一方、もう1人の被害者今井紀明さんは、 大阪で通信制高校に通う若者を支援するNPOの代表となっていた。
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第13回憲法を考える映画の会は、『ファルージャ─イラク戦争 日本人人質そして…』を見て日本国憲法を考えたいと思います。
この映画は、私たちが今当面している最大の課題とも言うべき「集団的自衛権」の問題について考えるときに、いくつかの側面から考える材料と問題を提起してくれます。
ひとつは、イラク戦争の際、ファルージャで起きた人質事件とはどのようなものであったのか?事件の背景にあるイラク自衛隊派遣と日本政府がとったこの人質事件対応に、いま憲法第9条をかなぐり捨ててでも押し切ろうとしている「集団的自衛権」行使が容認されるとどういうことになるかが現れています。
もうひとつは「ファルージャの戦闘」とはどのようなものだったのか?ということです。正直、この映画を見るまで「ファルージャの戦闘」がどのようなものか知りませんでした。 しかしこれはイラク戦争終結後、アメリカ軍による占領下に起きた事件で、同盟軍による占領統治でアメリカ海兵隊が治安維持を担当していた時期に起きた事件でした。 表向きは「アメリカ合衆国軍とイラク武装勢力との間の戦闘」とされていますが、犠牲者はほとんどが女性や子どもを含む武装していない住民で、いわば農民をベトコンとして虐殺したベトナム戦争のソンミ事件に匹敵する虐殺事件でした。このようなアメリカの戦争に自衛隊員を派兵し、アメリカを守るために自衛隊員がこのような戦闘=殺害を犯すことになると考えながらこの映画を見ると、集団的自衛権行使容認がもたらすもの、それによって失われるものが見えてきます。
(沖縄のキャンプシュワジで訓練を受けた海兵隊員がイラクに行ってファルージャで住民虐殺をした、という話は見た『ラブ沖縄@辺野古・高江・普天間』にも出てきました)
もう一つこの映画描かれているのが、劣化ウラン弾の後遺症とでもいうのでしょうか、イラクでたくさん生まれている奇形児の悲劇についてです。 ベトナム戦争の枯れ葉剤、各地のアメリカの戦争で使われている劣化ウラン弾、それらは戦争の間に人を殺す道具であるだけで無く戦争が終わった後も世代を超えて長く人々を苦しめる「兵器」です。 そうした非人道的(?)な兵器を使って戦争を行ってきたアメリカの戦争に加担するためのものが「集団的自衛権」行使であり、その結果、世界中の「苦しめられた人々」から日本人は恨まれ続けることになります。
そうして平和をめざす国のひとつの約束であった「兵器輸出三原則」を簡単に破って、人と人とが殺し合う道具、戦争をする道具を売って、金儲けをしよう、景気をよくしよう、それこそが「集団的自衛権」行使容認と同じ目的にあるものであり、安倍政権がめざしているものと言うことができます。
今、私たちが当面している問題を考える上でも、この映画が考えさせてくれるものがほかにもたくさんあります。何のためにこのような戦争に加わる道を作ろうとするのか、それによって今まで日本人が得てきたものがどれだけ失って、かつ多くの世界の人々を「敵」に回すことになるのか、考え、そうした動きを止め、押し戻す声を上げて行かなければなりません。
なお、下記にこの映画の監督の伊藤めぐみさんの記事があります。なかなか読みでがあります。
映画「ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして」 自己責任批判から10年、28歳の伊藤めぐみ監督の視点
ぜひ憲法を考える映画の会にお誘い合わせいらっしゃって下さい。ぜひご案内下さい。
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