憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (8)『父と暮らせば』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (8)
『父と暮らせば』
2004年8月2日 H.T.記
大方の日本人にとって、「ヒロシマ」がイラクの多くの人々と想いを共有できるコトバだったということは、最近の新しい発見の一つだったのではないだろうか。
その「ヒロシマ」を描いた井上ひさしの戯曲「父と暮らせば」が映画化され、7月末から公開されている。黒木監督の戦争レクイエム3部作の最後の作品となる。
原爆が落ちて3年後の広島、一人だけ生き残ってしまったことに負目を抱き、幸せになることを拒みながら生きている娘・美津江。そんな彼女の前に、ある日、原爆の資料集めに情熱を注ぐ青年が現れる。彼女は彼に魅かれる。
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」(広島弁)と苦しむ美津江。
そこに、美津江の心を開かようと、父が幽霊となって姿を現す‥‥。
父と娘のユーモラスな対話から、原爆の傷跡の深さと、生きる希望を明るく感動的に浮かび上がらせる映画である。
美津江役の宮沢りえの繊細かつ体当たりの演技も話題になっている。
「夏休みの映画鑑賞にこの作品を推す。躊躇なく一番に推す」とは、映画評論家、秋山登さんの弁である(朝日27日朝刊)。
【制作】 2004年
【監督】 黒木和雄
【出演者】 宮沢りえ 原田芳雄 浅野忠信
【上映】 岩波ホール(東京) ワーナーマイカル広島 ユナイテッド・シネマ長崎いずれも7月31日から上映中
ad
関連記事
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (42) 『able(エイブル) 』・『ホストタウン エイブル2』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (42) 『able(エイブル) 』・『ホストタウン エイブ
-
-
圧殺の海─沖縄・辺野古
映画「圧殺の海─沖縄・辺野古」のご案内 2014 年7月1日、安倍首相が集団的自
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(2) にがい涙の大地から
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(2) にがい涙の大地から (2004年7月5日掲載)
-
-
映画『広河隆一 人間の戦場』
映画『広河隆一 人間の戦場』 監督:長谷川三郎 2015年/HD/日本/98分/ドキュメンタリー
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (26) 『やさしい嘘』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (26) 『やさしい嘘』 (初出2004年11月8日掲載
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (49) 『憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (49) 『あたらしい憲法のはなし ~いま 9条を考えよう~』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (49) 『あたらしい憲法のはなし ~いま 9条を考えよう~
-
-
憲法って、なあに? 憲法改正ってどういうこと?
憲法の伝道師伊藤真弁護士語りおろしDVD 改憲を阻止するようにあらゆる事をしなくてはな
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (35) 『ニュースの天才』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (34) 『ニュースの天才』 (初出2005年1月3日掲載
-
-
第57回憲法を考える映画の会『地の塩』
第57回憲法を考える映画の会『地の塩』 【上映会案内】 と き:2020年11月3日(火・休

