第61回憲法を考える映画の会『荒野に希望の灯をともす〜医師・中村哲 現地活動35年の軌跡〜』〈中村哲さんと日本国憲法を考える〉
第61回憲法を考える映画の会
『荒野に希望の灯をともす〜医師・中村哲 現地活動35年の軌跡〜』
〈中村哲さんと日本国憲法を考える〉
【上映会情報】
②13時30分〜15時(2回目上映)『荒野に希望の灯をともす』
・コロナ対策のため、会場の席数が95席に制限されています。
NGO平和医療団日本(PMS)を率いて、医療支援と用水路の建設を行ってきた。
活動において特筆すべきことは、その長さだけでなく、支援の姿勢がまったくぶれることなく、
一貫していたことだ。一連の活動は世界から高く評価され、中村医師は人々から信頼され、愛されてきた。
今、アフガニスタンに建設した用水路群の水が、かつての干ばつの大地を恵み豊かな緑野に変え、
65万人の命を支えている。
しかし、2019年12月、用水路建設現場へ向かう途中、中村医師は何者かの凶弾に倒れた。
その突然の死は多くの人々に深い悲しみをもたらした。
だが、 一方で 私たちに強く問いかけもする。
中村医師が命を賭して遺したものは何なのか、その視線の先に目指していたものは何なのか。
中村哲が遺した文章と1000時間におよぶ記録映像をもとに、現地活動の 実践と思索をひも解く。
朗読:石橋蓮司 語り:中里雅子
取材:柿木喜久夫/大月啓介/アミン・ウラー・ベーグ
CG: 平野雄一
音効:渡辺真衣/大島亮 演奏:中村幸
編集:櫻木まゆみ
撮影・監督:谷津賢二
構成・制作:上田未生
企画:ペシャワール会
製作:日本電波ニュース社
【この映画をプログラムとしたねらい】
コロナの問題があっても、何とか、この「憲法を考える」映画の会を開きたいと考えた理由には、
コロナやオリンピックの開催をめぐる騒ぎの影で、
改憲の策動や安保法制を実行化する政策が推し進められていることに危機感を感じていたからです。
国民投票法の改定案成立、土地規制法案といった法案が十分な審議や国民への衆知を成されることなく強行されました。
ここで憲法を考えていく上できっかけとなるものにどのようなものがあるか、
私たちは中村哲さんが書かれた著作の中に憲法9条についての熱い思いを書かれていたものがあることを知り、
その言葉を手がかりに中村さんが憲法をどのように捉え、
それを自分たちの活動の中に行かしていった子かを考えるところから始めました。
中村哲さんは、「戦いの中から平和は生まれない」ことを、いつも語っていました。
中村さんの憲法を語る言葉に、「憲法9条」は、日本の平和だけでなく、世界全体の平和と恵みの実現をめざしていたことを感じます。
中村さんがその実践でめざしていたものはそこにあるのではないでしょうか。
さらに、伊藤塾(法学館憲法研究所)でのこの映画の上映会の時に、映画の前に、
中村さんの仕事と、憲法前文に書かれていることを結びつけて考えていく考え方が示され、
目からウロコが落ちるような思いをしました。
それは日本国憲法の前文
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、
平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。」
とくに「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有すること」の部分、
まさしく30年以上、中村さんがパキスタン、アフガニスタンの地で実行されてきたことは、
この目的を実行することにあったのではないでしょうか。
中村さんが銃弾に倒れる前、いっしょに活動を行ってきた人々に、あと20年は活動を続けてほしいと言っていたと言います。
私たちはこの映画を見て、中村さんの願ったことに答えて行くには、自分たちは何ができるか考えました。
それは、ペシャワール会の活動が続いてさらに平和と恵みを求めている人に広がって行くこと、
また中村さんたちがやろうとしたことを、この映画を通してもっともっと多くの人に伝えていくこと、
そしてその中村さんがやってきたこと、やろうとしてきたことが、
日本国憲法の前文に書かれていることの実行であるということを世界に広めていくことによって、
日本国憲法を世界のために活かして行くものであることを世界に訴えていくことができると思いました。
先年、「憲法9条」をノーベル平和賞にと言う運動がありましたが、
ペシャワールの活動を「ノーベル平和賞」に推薦して、
その基本的な考え方になっている日本国憲法のめざすものを世界に知らせ、実行していくことができるのではないか、と考えています。
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