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映画『500年─権力者を裁くのは誰か?』

公開日: : 最終更新日:2018/06/13 上映会, 人権を守る憲法, 作品紹介, 憲法を考える映画

映画『500年─権力者を裁くのは誰か?』

第43回「500年─独裁者を裁くのは誰か?」「グラニート」20180509決定稿 第43回「500年─独裁者を裁くのは誰か?」「グラニート」20180509決定稿ウラ

「第43回憲法を考える映画の会」上映会『500年 権力者を裁くのは誰か』
と き:2018年6月3日(日)13:30~16:30
    2018年6月30日(土)13:30〜19:00
ところ:文京区民センター3A会議室
(地下鉄大江戸線/三田線春日駅・丸ノ内線/南北線後楽園駅)
参加費:一般1000円 学生500円
映 画:『500年 権力者を裁くのは誰か?』(108分)

『500年 権力者を裁くのは誰か?』

歴史的な裁判シーンが、この映画の前半のハイライトとなる。
1980年代、中米の小さな国グァテマラで、軍が20万人以上のマヤ先住民を虐殺し、 100万人の難民を生んだ。
それから30年以上の時を経て、このおぞましい事件の責任を問うために、元国家指導者が大量虐殺の罪で訴追される。

元国家元首が、自らの国で、虐殺の罪で裁かれるという前代未聞の裁判。
この裁判で、イニシアチブを取ったのは、女性たちだった。
民族衣装をまとった姿で、家族を虐殺され、自らもレイプ被害に遭った先住民の女性たちが命を賭けて証言するその法廷。
その「人道に反する罪」の首謀者としてリオス・モント元大統領を裁く裁判長も女性。一方で、その元大統領を「良き父であり、虐殺はでっち上げ」と主張する美しく着飾った白人女性スリ・リオス。

「500年」という作品タイトルは、コロンブスのアメリカ大陸到達から500年、そこにもともと住んでいた先住民が、どのような状況にあるのかを問いかけるもの。
前作「グラニート─独裁者を追いつめろ!」では1980年代のグァテマラでの虐殺事件の責任を問うためにスペインでの審判を求める国際法廷をカメラが追った。
しかし、その裁判で「リオス=モント元大統領の有罪」を宣告されたにもかかわらず、グァテマラ当局は、引き渡しを拒絶。
「ならば、この犯罪はグァテマラ人が自らの手で裁かなくてはならない」

人権運動家らの動きで、ついにはじまったグアテマラでの歴史的裁判が、この映画の前半の見どころとなる。
そして、息詰まる法廷闘争の末、裁判長は、虐殺の存在と大統領の関与を認定し、禁固50年の刑を宣告する。
国家元首が自国の司法制度で、「人道に反する」罪で裁かれたのは、ラテンアメリカのみならず、世界で初めてのことだった。それは、先住民の人々にとっては感動の一瞬だった。

しかし、リオス・モントの後継者のオットー・ペレス=モリーナ大統領は、この裁判の結果に激しい異議を唱え、この歴史的判決は憲法裁判所で無効とされてしまう。
しかし、明らかになった大統領の汚職問題は、ペレス=モリーナ自身も虐殺に関わっていた疑惑もからみ、先住民だけでなく、都市の住民、世代を超えた人々を巻き込んでの、大統領辞任を求める国民的な運動へと広がっていく。

(2017年制作/アメリカ・グァテマラ合作/108分/ドキュメンタリー/Pamela Yates監督)

『500年 権力者を裁くのは誰か?』公式ホームページ
http://500years.latinamerica-movie.com/
予告編もご覧下さい。

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なお、「第43回憲法を考える映画の会 ⑵」として、6月30日、この『500年 権力者を裁くのは誰か?』と同じくグアテマラ市民の圧政への抵抗を描いた前作『グラニート─独裁者を追い詰めろ!』を同時上映します。
両方を通して見ると、よりいっそう理解が深まるとともにやる気が増してきますよ。

第43回憲法を考える映画の会 ⑵
2018年6月30日(土)13:00~19:00
13:30〜15:30 『グラニート─独裁者を追い詰めろ!』
15:40〜16:40 長谷川ニナ先生・八木啓代さんのお話・トークシェア(映画を見ての感想の出し合い)
17:00〜19:00 『500年 権力者を裁くのは誰か?』
ところ:文京区民センター3A会議室
参加費一日券:一般1000円 学生500円

『グラニート─独裁者を追い詰めろ!』公式ホームページ
http://granito.latinamerica-movie.com/
こちらの予告編もご覧下さい。

 

手元資料もこちらからダウンロードできます(PDF, 約2MB)

 

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