*

隠された爪跡 払い下げられた朝鮮人

公開日: : 最終更新日:2017/10/15 上映会, 憲法を考える映画, 戦争を考える, 日本の戦争, 未分類

第38回憲法を考える映画の会

と き:2017年10月14日(土)13:30~16:30
ところ:千駄ヶ谷区民会館 集会室(渋谷区神宮前1-1-10 原宿駅10分)
映 画:『隠された傷跡』(呉充功監督・58分・1983年制作)
払い下げられた朝鮮人』(呉充功監督・53分・1986年制作)
参加費:一般1000円 学生500円

第38回「隠された爪痕」20170920映画「隠された爪跡」 隠された爪跡

かいせつ

1923年9月1日マグニチュード7.9の大地震が、関東地方をおそった。
死者10万人にもおよぶ、関東大震災である。
この時、6500名以上の朝鮮人が軍隊、警察、そして日本の民衆の手によって殺されていることはあまり知られていない。

そのうえ、今なお遺骨が埋められている事実があった。
昨年9月、東京の荒川河川敷で地元の古老の証言をもとに、遺骨の発掘作業が始まった。
映画学校に通う朝鮮と日本の若者たちがカメラを持ってかけつけた。
真実が隠されてきた60年の歴史を、この映画は追う。当時、押上に住んでいた曹仁承(チョ・インスン)さんはじめ、多くの証言が真実を語る。
この映画は、隠されてきた歴史の爪跡を明らかにする貴重な記録映画である。

映画を観て 今村昌平 映画監督

何と云っても、このドキュメンタリーの主役『アボジおじさん』が魅力的なのだ。大井町のホルモン焼店主だそうだが、八十三歳とは思えぬ元気者だし、直情型で、心が素直に画面にとび出るタイプなのである。

大正十一年、大震災の前年に、『日本へ行けば白い飯が食える』と聞かされた22歳のアボジさんは、朝鮮の貧しい村から東京へやって来る。その一年後大震災がおき、朝鮮人虐殺にモロに捲き込まれ、兄を殺され、自らも傷害を受ける。

このドキュメンタリーは、アボジおじさんの拙い日本語による語りを

軸に、数々の証言や、客観的な証

拠を集め、この残虐行為は何故起きたのか? それは偶発的なものであったのか?

若しかしたら、実は仕組まれたものではなかったのか? そしてこの事件に拘ろうと拘るまいと、今、我々日本人にとってそれはどんな意味を持っているのか? を、ひたひたと問いつめてくる。

勿論アボジさんにとってこのショックは凄まじく、その後二十年間も、夜うなされたり暴れたりしたという。

終りに近く、殺された朝鮮人の死体を集めて焼いたり埋めたりした荒川べりに、日本人証言者の一人

である老人Aさんとアボジさんが並んで立つ。Aさんは、意図的にかくされ、風化してゆく虐殺の事実を、子々孫々にまで語り伝えたいと云う。

アボジさんはAさんの手をとって泣く。『くやしかったよ……本当に』
決して論理的でない庶民の言葉で語られたこの記録の中で、最も感動的な部分であり、最も鋭く、我々を衝いて来るカットなのである。

私は、私の主宰する学院から、このような力強い映像を創るドキュメンタリストが出たことを心から誇らしく思う

ad

Comment

  1. 匿名 より:

    併映の「払い下げられた朝鮮人」が「払い下げられた日本人」となっています。
    有り得ない誤表記ですので、早急に対処をされた方が…。

  2. 梶原嘉門 より:

    私は習志野市の習志野収容所のすぐそばに住んでいます。近くにいながら、習志野収容所は、ドイツ人捕虜によるソーセージや、音楽活動のこと以外はほとんど知りません。習志野市に住む友人と見たいものと思っています。

匿名 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

関連記事

標的の村国分寺

西国分寺で『標的の村』上映会

西国分寺で『標的の村』上映会 2014年7月2日(水)❶10:30〜12:10 ❷14:00〜15

記事を読む

第49回「天から落ちてきた男」190302入稿用

映画「天から落ちてきた男」

映画「天から落ちてきた男」 【上映情報】 第49回憲法を考える映画の会 日 時:2019年

記事を読む

第53回「ニジノキセキ」20191026コピー3

映画「ニジノキセキ─「4.24」の未来へ、七色の架け橋─」

映画「ニジノキセキ─「4.24」の未来へ、七色の架け橋─」 第53回憲法を考える映画の

記事を読む

2025年5月24日第12回むのたけじ反戦塾チラシオモテ

第12回むのたけじ反戦塾

第12回むのたけじ反戦塾 日時:2025年5月24日(土)13:30〜16:30 会場:文京区民

記事を読む

中国インデペンデント映画祭p.1

中国インデペンデント映画祭

中国インデペンデント映画祭 と き:12月12日(土)〜27日(日) ところ:ポレポレ

記事を読む

第55回「アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和」20200211入稿時原稿

映画『アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和』

アフガニスタン 用水路が運ぶ恵みと平和 【上映会情報】 2020年2月11日(火

記事を読む

第69回「憲法映画祭2023」4月8日原稿(うりずん改訂版)オモテ

憲法映画祭2023

憲法映画祭2023   憲法映画祭2023(第69回憲法を考える映画の会)         

記事を読む

nelsonDVD

9条を抱きしめて ~元米海兵隊員 アレン・ネルソンが語る戦争と平和~

アレン・ネルソンさんをご存知ですか?ア レン・ネルソンさんは、1947年にアメリカ・ニューヨ

記事を読む

第82回「琉球弧2025 」「拝啓住民投票さま20250628案内チラシ20250605(入稿時)オモテ

第82回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな 2025』『拝啓 住民投票さま 石垣島のまんなかで起きたこと』

第82回憲法を考える映画の会 『琉球弧を戦場にするな 2025』 『拝啓 住民投票さま 石垣島の

記事を読む

%e3%82%82%e3%81%86%e4%b8%80%e3%81%a4%e3%81%ae%e7%b4%84%e6%9d%9f

『もう一つの約束』

『もう一つの約束』 2014年 韓国映画 115分 キム・テユン監督 【上映情報】

記事を読む

ad

ad


第85回「レーン宮沢事件」案内チラシ案(2025年10月26日入稿原稿)
第85回憲法を考える映画の会『レーン・宮沢事件 もうひとつの12月8日』

第84回憲法を考える映画の会 『レーン・宮沢事件 もうひとつの12月

61東京裁判
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (61) 「戦後60年にあたっての各地で映画上映会企画」

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (61) 戦後60年にあたって

60宇宙戦争
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (60) 『宇宙戦争』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (60) 『宇宙戦争』 (初

火垂るの墓
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (59) 『火垂るの墓』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (59) 『火垂るの墓』 (

flyer_1
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (58) 『ひめゆりの塔』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (58) 『ひめゆりの塔』

記録映画「時代(とき)を撃て・多喜二」
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (57) 『時代(とき)を撃て・多喜二』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (57) 『記録映画「時代(と

→もっと見る

PAGE TOP ↑