憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (190) 映画『ヒロシマ・ナガサキ』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (190)
映画『ヒロシマ・ナガサキ』
(初出2007年7月23日掲載・H.T.さん記)

1945年8月6日、アメリカのB29爆撃機「エノラ・ゲイ」はウラン型原爆「リトルボーイ」を広島に投下しました。その3日後には長崎にB29爆撃機「ボックスカー」がより強力なプルトニウム型原爆「ファットマン」を落としました。
この映画は、アメリカ人監督が、25年をかけて、500人の被爆者に会い取材し、14人の被爆者と投下に関係した4人のアメリカ人の証言を柱に、記録映像や資料を盛り込んだ本格的なドキュメンタリーです。
今、広島・長崎のこの出来事を知らない日本の若者がいます。AP通信と共同通信が日米で行った世論調査によると、原爆投下が「戦争の早期終結のためには避けられなかった」と回答した人はアメリカで60%、日本で35%います(2005年7月)。先日、久間防衛大臣が「原爆投下はやむを得なかった」と発言して辞任に追い込まれましたが、この意見は必ずしも極少数とはいえないようです。昭和天皇も、1975年10月の公式記者会見で、「原子爆弾が投下されたことに対しては、こういう戦争中であることですから、広島市、市民に対しては気の毒であるが、やむをえないことであると思っています」 と語っています。この時は特別問題にされなかったようです。
原爆が投下される直前に提出されたフランク・レポートでは、「もしアメリカ国民が、核兵器の全容を理解すれば、それを最初に使う国がアメリカであるなどと言うことは、容認する否かは全く疑問である」と報告しています。投下後の惨状を知らせる報道は、アメリカでは厳しい制限を受けました。このことは、原爆や平和の問題が、事実をありのままに知る、ということと密接に関係していることを示しています。
フィルムに見る被爆者の方の苦痛は想像を絶します。にも拘わらず必死に生きようとする姿には、人間の尊厳を感ぜずにはいられません。原爆の記憶が風化しつつある、とも言われる今日、「人類最後の兵器」が持つ真実の姿に向き合うことが改めて重要になってきているのではないでしょうか。「核廃絶」の願いを現実の力にするために。
【映画情報】
製作:2007年 アメリカ
時間:86分
原題:WHITE LIGH/TBLACK RAIN
製作・監督・編集:スティーブン・オカザキ
上映館:7月28日より東京・岩波ホール他で全国順次公開
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