憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (169) 『日本の青空』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (169)
『日本の青空』
(初出2007年3月19日掲載・H.Oさん)

日本国憲法が、日本が占領されていた時期に制定されたことは歴史的事実です。また、当時日本の統治にあたったGHQが日本国憲法の内容に大きな影響を及ぼしたこともまた事実です。そこで、安倍首相は日本人自らの手で憲法をつくる必要があると言っているのでが、どう考えたらよいのでしょうか。
「日本の青空」はこの問いについて考える素材として見事に出来上がりました。
当時GHQは日本政府に対して、大日本帝国憲法にかわる憲法をつくることを求めていたのですが、鈴木安蔵ら憲法研究会の憲法案をその重要な原案の一つとしていたのです。GHQは当時の国際情勢の中で日本の天皇制を利用したという批判はありますが、彼らは鈴木安蔵らの国民主権や人権尊重の考え方を積極的に取り入れたのです。そして、鈴木安蔵らの憲法案は自由民権を主張した植木枝盛らの考え方を参考にしていたのです。GHQは当時の幣原喜重郎首相とのやり取りの中で戦争放棄・戦力不保持も憲法に盛り込むことにしました。
このような歴史を見るならば、日本国憲法は日本人自らがつくりあげてきたともいえるのです。「日本の青空」はこうした歴史を学ぶ格好の映画だと言えます。
いま経済界や政治家の憲法「改正」論が広がってきているのは、日本国憲法ができた歴史的事実とその背景が国民にあまり知らされていないこと、日本政府や政治家が日本国憲法の内容と精神を積極的に活かす政治をすすめてこなかったこと、日本国民も日本国憲法を自らのものとして活用していくという点で不十分だったこと、等々によるのだろうと思われます。「日本の青空」を観て、多くの人々と日本国憲法を学び広げていきたいと思います。
日本国憲法の制定には日本人自らの考えやたたかいが反映していますが、その背景には世界の憲法の歴史があります。当研究所が開講している連続講座「世界史の中の憲法」をあらためてご紹介させていただきます。そのオンライン講座は無料体験受講もできます。ぜひ受講していただきたいと思います。
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