*

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (119) テレビ「取り残された民衆~敗戦の満州・悲劇の逃避行」

公開日: : シネマDE憲法, 作品紹介, 未分類

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (119)
テレビ「取り残された民衆~敗戦の満州・悲劇の逃避行」
(初出2006年8月7日掲載・H.T.さん記)

119テレビ「取り残された民衆~敗戦の満州・悲劇の逃避行」

中国を侵略した日本軍(関東軍)は、1932年3月、中国からその東北部を分離して、満州国を建国し、
かいらい政権を作りました。
日本政府は、直後の10月から日本人の満州への移住を開始しました。
「王道楽土」「五俗協和」が旗印でした。
実際は、満州国の国防強化、対ソ防衛や満州鉄道沿線の産業開発のための要員として、
昭和恐慌で疲弊した日本各地の農民を中心とした労働力を充てるという国策のためでした。
多くは軽い軍事訓練を受け、「満蒙開拓団」として、ソ連国境近くに「入植」させられました。
“夢の別天地”との歌い文句で移住した彼らを待っていたのは、
日本軍によって土地を強制的に奪われた中国人の抵抗運動と、慣れない土地での過酷な労働・生活でした。
1938年からは、集団移民を補うため15歳~18歳の「満蒙開拓青少年義勇軍」を送り出しました。
彼らを含む移住者総数は27万人~32万とされています。

1945年8月初旬、移住者を含む日本人たちは、突然のソ連の参戦によって大混乱に陥りました。
それまでに青壮年男子のほとんどは徴兵され、残っていたのは婦女子、老人、 病弱者が多かったとされます。
本来彼らを守るはずの関東軍の主力部隊は、予め立てられていた方針どおり、ソ連軍がやって来る前に、
満州南部に撤退し、南に逃れる手段である主要な鉄道の利用は軍(とその家族)に独占され、
開拓団などの民間人は無防備のまま敵前に取り残されました。
自力で避難した彼らは進撃してきたソ連軍の標的にされ、言語に絶する悲惨な結果を生みました。
犠牲者だけでも17万人以上です。
日本人の幼児の一部は、肉親と死別したりはぐれたりして現地の中国人に保護され、
あるいは肉親自身によって現地人に預けられたりして戦後も中国に残り、いわゆる残留孤児として、
苦難に満ちた人生を送ることとなりました。

番組では、残された資料と映像を組み立て、また元兵士と民間人の証言により、この間の経緯を検証します。
「軍隊は国民を守るためにある」という言葉は、いつの世でも言われますが、
「現実」はそうではないことを実証する一つの例です
(リンクしている残留孤児判決では、政府が主導して満州移民を進めたことについては言及しましたが、
ソ連の参戦後、満州を防御するはずだった関東軍が、移民団を置去りにして撤退したことについては触れていません。
残留孤児が発生した理由は―さまざまなケースがあることは事実でしょうが―他に求めています)。

【放送】 NHK BS1 2006年8月15日(火)午後11時10分~0時
【関連放送】 NHKスペシャル「満蒙開拓団」2006年8月11日(金)午後10時~10時50分

****************************************************

アイキャッチ画像は、株式会社 テムジンのホームページ(https://www.temjin-tv.com/works/2006/08/09/1163/)より転載

2006年8月9日 取り残された民衆~元関東軍兵士と開拓団家族の証言~

1945年8月9日、満州の日本人たちは、突然のソ連軍侵攻によって大混乱に陥った。
関東軍の主力部隊は作戦方針に従って満州の南部に撤退したが、民間人は何の情報も得られないまま、
ソ連軍の標的にされ幾多の悲劇を生んだ。
番組では、当時の資料と映像、元兵士と民間人の証言によって過程を丹念に追い、悲劇の記憶を掘り起こして記録する。

平成17年 NHK編成局長賞

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

関連記事

81ロード・オブ・ウォー

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (81) 『ロード・オブ・ウォー』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (81) 『ロード・オブ・ウォー』 (初出2005年12月

記事を読む

第47回「南京!南京!」20181208入稿時

映画『南京!南京!』

映画『南京!南京!』 【上映情報】 第47回憲法を考える映画の会『南京!南京!』 と き:

記事を読む

shinryaku

証言 侵略戦争 人間から鬼へ、そして人間へ

三人の侵略戦争体験者は、自らの加害行為を語ってきた。子供の頃には虫も殺せなかった人間が、戦場

記事を読む

2025年2月24日第11回むのたけじ反戦塾チラシオモテ

「戦争はいらぬ、戦争をさせぬ世へ」第11回 むのたけじ反戦塾

「戦争はいらぬ、戦争をさせぬ世へ」第11回 むのたけじ反戦塾 日時:2025年2月24日(

記事を読む

軍隊を捨てた国オモテ

映画『軍隊をすてた国』

映画『軍隊をすてた国』   解説 中米コスタリカ共和国は、軍隊を廃止してから半世紀以上

記事を読む

fal

ファルージャ

2004年にイラクで起きた日本人人質事件の人質となった高遠菜穂子さんと、今井紀明さんのその後

記事を読む

61東京裁判

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (61) 「戦後60年にあたっての各地で映画上映会企画」

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (61) 戦後60年にあたっての各地で映画上映会企画 (初

記事を読む

oshie

やーさん ひーさん しからーさん ─集団疎開学童の証言─

やーさん(ひもじい)ひーさん(寒い)しからーさん(寂しい) もう一つの沖縄戦─ それは

記事を読む

華氏911

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (13) 『華氏911』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (13) 『華氏911』 初出2004年8月23日掲載 H

記事を読む

あなたを忘れない

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (160) 『あなたを忘れない』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (160) 『あなたを忘れない』 (初出2007年2月12

記事を読む

ad

ad


「憲法映画祭2026」20250418(20260222入稿時原稿)差し替え用オモテ
憲法映画祭2026

憲法映画祭2026(4月18日) 第87回憲法を考える映画の

173ヘレンケラーを知っていますか
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (172) シネマ「ヘレンケラーを知っていますか」(初出2007年4月2日掲載)

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (172) シネマ「ヘレンケラ

踊れ、グローズヌイ!
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (171) 映画「踊れ、グローズヌイ!」上映会

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (171) 映画「踊れ、グロー

170約束の旅路
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (170) 『約束の旅路』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (170) 『約束の旅路』

169日本の青空
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (169) 『日本の青空』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (169) 『日本の青空』

168サン・ジャックへの道
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (168) 『サン・ジャックへの道』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (168) 『サンジャックへの

→もっと見る

PAGE TOP ↑