憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (11) 『ひまわり』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (10)
『ひまわり』
2004年8月16日 H.T 記
ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニのイタリア映画界の名コンビが共演した幾つかの作品の一つ。
ジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)の、ナポリでの開放的な弾けるような出逢い。信じ合っての結婚の喜びも一瞬のうち。アントニオは第2次大戦のロシア・ドン河方面の戦線に送られる。そこでは雪と氷と飢えが待っていた。
やがて終戦。復員兵を乗せた列車にアントニオの姿はなかった。ジョヴァンナは戦友の話と1枚の写真を頼りに、生き別れの夫を探してロシアを歩き回る。そこで彼女が見たものは‥‥。
「自殺しかけたわ。人間は愛がなくても生きられるのね」とジョヴァンナ。
「俺はもう死んだんだ」とアントニオ。
奇跡的に生き残った兵士とその妻が「日常的にそれなりに」生きることの残酷さ―すなわち戦争の残酷さ―を包み込んだH・マンシーニの感傷的なメロディー。
大雪原だった大地を覆う夏のひまわりの群生―ロシアのひまわりは、太い頑丈な幹の頂上に黄金色の大輪の花を1個だけ咲かせる。
純粋なロシア娘の深い瞳、失われた純粋さを想う2人の深い瞳。
夏の夜に、静かにまとわりついて離れない。
| 【放送】 NHK衛星第2⑪ 8月19日(木)20:00~21:44 【年代、国】 1970年 イタリア映画 【原題】 I GIRASOLI 【監督】 ヴィットリオ・デ・シーカ 【音楽】 ヘンリー・マンシーニ 【出演】 ソフィア・ローレン マルチェロ・マストロヤンニ リュドミラ・サベリーエワ |
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