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憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (10) 『ロング・ウォーク・ホーム』

公開日: : 最終更新日:2025/10/06 シネマDE憲法, 人権を守る憲法, 作品紹介, 憲法を考える映画

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (9)
『ロング・ウォーク・ホーム』
2004年8月12日掲載 I.M.記

ロング・ウォーク・ホーム

舞台は、アメリカのアラバマ州モンゴメリー。時代は、1950年代。黒人差別が公然と残る公民権運動以前の南部での物語です。
主演のウーピー=ゴールドバーグ(Whoopi Gorldberg)は、裕福な白人家庭のメイド役オデッサを演じています。
白人家庭の妻ミリアムは、自分が幼いときにやはり黒人のメイドに育てられた経験があるために、黒人のおかれた状況に同情的ですが、周囲の人々は黒人に対して偏見と憎悪を抱いています。
そうしたなか、黒人によるバスボイコット事件(いわゆるローザ=パークス事件)が起こり、オデッサらメイドもこの行動に呼応します。
仕事の往復にバスを使わず、長距離を徒歩で歩き貫くことで、黒人差別に対する抗議の意思を表すのです。
黒人教会の牧師は、「われわれが間違っているのであれば、最高裁判所も間違っている。
われわれが間違っているのであれば、合衆国憲法も間違っている」と述べます。
こうした抗議活動が長引くなか、白人は黒人に対する弾圧を強めていきます。
しかし、黒人差別を誤りだと考えるミリアムは……

この作品は、極めて日常的な生活のなかから差別を告発しています。
黒人差別問題を考える人や、アメリカ憲法に関心がある人には、お勧めの一本です。
エンドロールの際に流れるマーティン=ルーサー=キングの声、「最後には正義は必ず手に入れられる。
どれくらいで? そう遠からず」はとても印象的です。

なお、ウーピー=ゴールドバーグは、最近、ブッシュ大統領を批判したために出演しているCMを降板させられるということがありました。
しかし、彼女は、「私は言うべきことはこれからも言い続ける」と意気盛んです。

【原題】 THE LONG WALK HOME
【製作】 1990年
【製作国】 アメリカ
【監督】 リチャード=ピアース
【出演】 ウーピー=ゴールドバーグ/シシー=スペイセク/ドワイト=シュルツ

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