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映画『NO(ノー)』

公開日: : 最終更新日:2016/10/16 上映会, 作品紹介, 憲法と共に生きる

映画『NO(ノー)』

監督:パブロ・ラライン
チリ映画 2012年制作 118分

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【上映案内】

「第29回憲法を考える映画の会 映画『NO(ノー)』
と き:2016年10月15日(土)13:30~16:30
ところ:千駄ヶ谷区民会館(山の手線原宿駅10分
地下鉄新都心線明治神宮前駅8分・北参道駅8分)
渋谷区神宮前1-1-10・会場:TEL03-3402-7854
映 画:『NO(ノー)』(監督:パブロ・ラライン)
チリ映画 2012年制作 118分
参加費:一般1000円 学生600円

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【映画の解説と感想】

これは、選挙キャンペーンによって“革命”を起こした実話をもとにした真実の物語
1988年、南米チリ─長期軍事独裁への国際批判が強まる中、ピノチェト政権の信任を問う“国民投票”が行われることに…
投票日までの27日間、反対派「NO」陣営に許されたのは15分枠の“TVコマーシャル” だけだった。
https://www.youtube.com/watch?v=np0RLIhbDPI(映画「NO(ノー)」予告編)

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南米チリの軍事独裁政権が政権の延命を図って、政権信任継続の「イエス」「ノー」を問う国民投票を行うことになりました。1988年のことです。
その時、反政権勢力「NO」派にも意見広告を行う深夜15分のテレビコマーシャルの枠が与えられました。CM制作を仕事にしているレネは「NO」派の宣伝を担当し、長い間人々を苦しめ続けた軍事独裁政権を終わらせることになります。この映画はそうした実話に基づいてドラマ化されたものです。

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たくさんの犠牲者を出した15年におよぶチリでの軍事独裁政権による弾圧の事実。権力による情報操作と妨害。家族にまでおよぶ脅迫。反対派つぶしに暴力で介入する “警察軍”。それらにも負けないで、自分の能力を出し切り勝利を勝ち取った主人公の闘いはもちろん感動的です。
でも主人公はもともと強い政治的意志を持ってこの運動に参加したというような描かれ方はしていません。はじめは政権側の平等アピールの出来レースと気乗りしません。むしろ巻き込まれ型です。
ただその宣伝の「仕事」をしていく中で、広告マンとしての自分の信じる「人の気持ちを動かすものは何か」の信念が生かされ、それが結果的に勝利に役に立ったということ、あるいは彼自身がこのコマーシャルを自分のものとして引き受け、さまざまな圧迫や不正を目にし、体験して、この政治を何とかしなければならないという意識に強くしていく、その人間ドラマの過程が印象に残り、感動を呼びます。

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この映画を見て、私たちも今の自分たちの置かれた情況に照らし合わせ、いろいろ考えることが多くあります。とても似ている情況に私たちもあると思います。
安倍政権をピノチェト政権と同じだ、と言うわけにはいきませんが、いくつかの点でその権力支配の政治姿勢とめざしているものは似ているところを感じます。マスメディアを規制して不都合な報道に圧力を加えたり、秘密保護法に該当するものを増やして公表しようとしなかったり、国会や司法、憲法をも無視して抗議に耳を貸そうともしないなど独裁政権と変わりない政治姿勢です。
野党の側においても私たちの現状と似たような情況があります。
この頃、チリでは17の野党が林立していてなかなか結束できない、反権力運動が命をかけてがんばっているのに、政治的な力にならず、それが政治を独裁政権のほしいままにしてきました。
「NO」派はそれまでどんな主張をしようとしたのでしょうか?野党や反政権勢力の多くは、独裁政権の弾圧がいかにひどいものであったか、あるいは自分たちの政治的主張が間違っていないかを宣伝しようとします。
それに対しレネは、それでは「人が動かない」と主張します。国民の多くが「NO」と表明することによって「どんな自由で明るい未来がひらけるか」をイメージさせるものを描いて人々に呼びかけようとします。関心を持たない、変わらないだろうとあきらめきっている人々を目覚めさせていかなくてはと訴えます。
無関心層の人々が気持ちを動かすことによって、未来へのイメージに共感し、「変えられるかもしれない」と思って国民投票に行ってみようという気持ちになった時、大きな力が生まれて軍事独裁政権は終わり、民衆の歴史的な勝利へ道を開いたのです。

この宣伝力、広告マンのセンスを生かすというのは、今の私たちの情況においても大いに学ぶところが多いのではないでしょうか。そのセンスとは何か、それは人々が何を求め、何を願い、何に気持ちを合わせたいと思うのかを自分の感性できちんと捉え、それを表現し伝えることができるかというところにあるのでしょう。

安倍首相は、参議院選挙で憲法改正の発議に必要な議席数を得ることをめざすといっています。それが実現してしまうとその後の憲法の「国民投票」もスケジュールにあがってしまいます。何を変えてどんな社会を作りたいのかも十分に論議されないままに。
そのとき国民が何を求め、何を最も大切にするかを判断できるようにすることが必要です。私たちは、この映画を見て「人の気持ちを動かすものは何か」をもう一度考え、無関心な人にも自分たちの問題として憲法を考えていく機会をつくることを、知恵を出し合って広げていきたいと思います。

【予告編】
https://www.youtube.com/watch?v=np0RLIhbDPI
【映画公式サイト】
http://www.magichour.co.jp/no/

【映画情報】
映画『NO』(原題:NO)
スタッフ
監督: パブロ・ラライン
脚本: ペドロ・ペイラノ
プロデューサー:フアン・デ・ディオス・ラライン
撮影:セルジオ・アームストロング
編集:アンドレア・シニョリ
キャスト
ガエル・ガルシア・ベルナル (レネ・サアベドラ)
アルフレド・カストロ (ルチョ・グスマン)
ルイス・ニェッコ (ホセ・トマ・ウルティア)
アントニア・セヘルス (ベロニカ)
マルシアル・タグレ (アルベルト)
ネストル・カンティリャナ (フェルナンド)
ハイメ・バデル (大臣)
配給・宣伝:マジック・アワー
第65回カンヌ国際映画祭:監督週間アートシネマアワード
テッサロニキ国際映画祭:Open Horizons部門観客賞
ハヴァナ映画祭:最優秀作品賞
サンパウロ国際映画祭:観客賞
ナショナル・ボード・レビュー:外国語映画賞
ヘルシンキ国際映画祭:観客賞
シネマ・フォー・ピース:アワード2013
国際シネフィル協会:未公開最優秀作品賞
Premios ACE(英語版):最優秀作品賞
第85回アカデミー賞:アカデミー外国語映画賞ノミネート

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