憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(294) 映画『日独裁判官物語』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(294)
映画『日独裁判官物語』
(初出2009年3月30日掲載・H.O.さん 記)
日本とドイツの裁判官の違いを浮き彫りにしつつ、日本の裁判官のあり方について問題提起するドキュメンタリー映画です。
映画では、日本の裁判官たちが、日々の仕事のハードさを嘆き、市民集会で発言すれば処分され、最高裁から睨まれると人事や給料で差別されることを語ります。一方で、ドイツの裁判官がスクーターで裁判所に通勤する様子、普通の市民と同じように地域の人々と交流し、自由に意見交換する様子などが映し出されています。日本の裁判官をめぐる問題点がドイツとの対比でよくわかります。
5月から裁判員制度が導入され、市民が裁判に参加するようになります。
多くの人は、裁判官というと難しい法律を理解していて、物事を公平に判断できる人だと思っているのではないでしょうか。したがって、多くの人は、素人が裁判に参加しても、裁判官の言うことに異議を唱えるなんてことはできるはずはない、と感じているのではないでしょうか。
日本では被告人の99%が有罪になります。裁判官は、検察官が起訴した、ほぼ全員の被告人を有罪としているのです。したがって、裁判員裁判に参加する市民はお飾りにされるだけだという指摘もあります。
しかし、裁判官も人の子です。多くの裁判をかかえて四苦八苦し、できるだけどんどん処理していきたいというのも人情ですし、同時に、決して無辜を罰してはならないとも思っており、その狭間で悩ましい日々を送る裁判官も多くいるのではないでしょうか。
裁判員制度の導入にあたってはいろいろな検討課題がありますが、裁判への市民の積極的な参加が日本の裁判を大きく改革していく可能性を持っていると思われます。市民は、裁判官という人たちと彼ら彼女らをとりまく状況・問題点を理解しながら、裁判に参加していきたいものです。映画『日独裁判官物語』は、ぜひいま、多くの市民に観ていただきたい映画です。
製作:1999年
上映時間:60分
監督:片桐直樹
VHSビデオを5,000円(税別)で販売中。貸出(16mmフィルム)もあり。問合せ先は青銅プロダクション(電話:03-3350-0267)
ad
関連記事
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (222) 映画『母べえ 』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (222) 映画『母べえ 』 (初出2008年2月4日掲載
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (117) 『映画「若者たち」三部作シリーズ上映会』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (117) 『映画「若者たち」三部作シリーズ上映会』 (初
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (6) 『深呼吸の必要』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (6) 『深呼吸の必要』 2004年7月23日 S.T.記
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (71) 東京国際映画祭『ヒトラー・カンタータ』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (71) 「東京国際映画祭『ヒトラー・カンタータ』」 (初
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (201) 「韓国映画フェスティバル」
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (201) 「韓国映画フェスティバル」 (初出2007年1
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(272) 映画『リダクテッド 真実の価値』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(272) 映画『リダクテッド 真実の価値』 (初出2008
-
-
第82回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな 2025』『拝啓 住民投票さま 石垣島のまんなかで起きたこと』
第82回憲法を考える映画の会 『琉球弧を戦場にするな 2025』 『拝啓 住民投票さま 石垣島の
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (202) 「東京国際映画祭2007」
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (202) 「東京国際映画祭2007」 (初出2007年1
-
-
映画「さとにきたらええやん」
映画「さとにきたらええやん」 2015年/日本/100分 重江良樹監督 【映画
-
-
映画『広河隆一 人間の戦場』
映画『広河隆一 人間の戦場』 監督:長谷川三郎 2015年/HD/日本/98分/ドキュメンタリー

