憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (131) 「郡上一揆」(2006年 9月27日テレビ放映)
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (131)
『』
(初出2006年9月25日掲載・H.T.さん記)
時代劇というと、NHKの大河ドラマをはじめ、農民から年貢を徴収して暮らす支配者である武士層を描いたものが通常です。
民主主義の時代になって長年経った現在でもなぜなのか、議論になる問題でしょう。
この映画は、郡上踊りで有名な、美濃国(岐阜県)郡上藩の農民を主役にしています。
江戸時代の三大一揆の一つである郡上一揆を、力強くよみがえらせた作品です。
登場するのは実在した人物です。
郡上の農民たちには重い年貢・税がかけられていました。
税を払うために借金し、その金が返せずに先祖伝来の田んぼを失う農民もいました。
そんな中で、藩主は税の取り方を従来の定額制から、藩主のさじ加減一つでさらに重税となる検見取りに切り換えてきました。
このままでは、生命を守れない。怒った農民たちは、総意としてこれに反対することを決め、連判状をつくり団結を固めました。
高校の代表的な日本史の教科書にも出ている「からかさ連判状」で、中心人物がわからないようにして円形に署名したものです。
しかし、藩が聞き入れないため、江戸にいる藩主に直接訴えるために、代表団を派遣することを決めました。
定次郎(緒方直人)は厳格な父(加藤剛)に、「村のために役立つ人間になれ」と育てられていました。
妻(岩崎ひろみ)と生まれたばかりの娘を残して、仲間たちと江戸に旅立ちます。
しかし、藩主も聞き耳を持たないため、定次郎たちは死を覚悟して、幕府の老中への直訴を決行しました。
現在の視点でみると、憲法25条の生存権の侵害(自由権としての側面)に、まさに命を投げ出しての抵抗です。
獄門・死罪・遠島の犠牲者を出しました。
それは、自分が養うべき家族を捨てることにもなります。
地元ではこの一揆は今なお語り継がれているとのことです。
伝統として残るエネルギーは、旗と竹槍を持って一揆に参加した3,500人の農民のエキストラのボランティアとして現れました。
人々が重税にあえぎ、その真の姿が権力者に届きにくいのは、今も昔も変わりません。
映画が人気を博した背景には、そんな共感があったことが感じられます。
【放送】 NHK衛星第2 2006年9月27日(水)午後1:00~2:55
制作:2000年 日本
時間:115分
監督:神山征二郎
DVD:4.095円(税込み)
主な出演者:緒方直人/岩崎ひろみ/加藤剛/山本圭/林隆三/前田吟/永島敏行/篠田三郎
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