憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (124) テレビ「純情きらり」
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (124)
テレビ「純情きらり」
(初出2006年8月28日掲載・H.T.さん記)
*(註)下記の解説中のテレビ番組の案内は、この記事が掲載された2006年当時のものです。
2006年の放送当時にどのようにこの番組が見られたかという視点で記事をご覧ください。
この4月からスタートし、9月末まで続く、NHKの連続テレビ小説です。
最近の朝ドラは、現代を舞台にした女性のサクセスストーリーという構成でした。
「純情きらり」は、昭和初期から始まり戦争をはさんで生きる時代に生きる人物像を描いています。
ヒロインは、ピアニストを目指す桜子(宮﨑あおい)です。
目標を持って明るくたくましく生きるヒロインと、支えあう家族の愛情を主旋律とするという定番のスタイルをとりながらも、
戦争の時代にあって社会の変化にそのまま流されることなくそれぞれの自分を生きる、
という視点を打ち出していることが感じられます。
そんなスタンスが視聴者の共感を呼んだのでしょうか。視聴率も好調です。
第20週(8月14日~19日)では、
1944年、ドイツ語で書かれた物理の愛読書を海軍に持ち込めないのを残念がる勇太郎のために、
桜子が徹夜でドイツ語の本をノートに筆写して勇太郎に渡し、
桜子の愛情を実感した勇太郎は、命を国に捧げるという考えを改め、生きて帰って来ると言って離れて行くシーンなどがありました。
3月10日の東京大空襲のようすは悲惨でした。
先日は、女学校の教師をしている桜子の姉笛子(寺島しのぶ)が源氏物語を教材にしようとしたが、
時局に合わないと辞職を迫られ、生徒たちに「どんな世の中になっても自分の心だけは裏切らないで」と最後の授業をする場面がありました。
学校で今、君が代の斉唱を強制され、教育基本法の「改正」に直面している教諭や子どもたち、
そして次の世代をどのように教育しようかと考えている父母たちや社会にとっては、まさに現在の問題でした。
人間が本当に「明るくたくましく」生きるためには、置かれている社会とどう向き合うか、という視点を明確に持つことが欠かせません。
8月19日放映分の笛子のセリフにあるように、
生活者の視点から「ぎりぎりのところでやっとのことで生きている」緊張感のある姿が描かれていると思います。
その意味で、「きらり」と光る面があるドラマだと思います。
【放送】 NHKテレビ 月~土 時間:8:15~30(総合)7:30~45(BS2) 7:45~8:00 (BShi)
【原作】 津島佑子「火の山―山猿記」
【脚本】 浅野妙子
【出演】 宮﨑あおい/寺島しのぶ/井川遥/室井滋/西島秀俊
【語り】 竹下景子
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