*

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (27) 『めだか』

公開日: : シネマDE憲法, 作品紹介

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (27)
テレビドラマ『めだか』
(初出2004年11月15日掲載 H.T.さん記)

27めだか

2004年10月から12月まで放送された連続テレビドラマ。

勤めて半年あまりでリストラされた平凡なOL目黒たか子(通称「めだか」)(ミムラ)は、定時制高校の教師になった。
自分は何の取り柄もないつまらない人間だとコンプレックスを持ち、当たり障りのない人生を歩んできたたか子は、ここでも気楽に仕事を始めた。

自分よりも遥かに年上のサラリーマンなど年齢も職業も様々な生徒たちに初めは面食らったたか子だったが、
2回ほどみた範囲では、人間関係や社会の条理と不条理の対抗軸がしっかり設定されていた。
第5回では、共にこの定時制高校で学んでいる子どもとその父親の関係が、第6回では、権威や権力を持っている理事者側とそれを持たない教師、生徒の関係がそれぞれ基本になっていた。

生きたセリフも多い。
「この人たちは落ちこぼれなんかじゃない。それぞれ事情があるんだ。それでも学びたいと思ってここに来ているんだぞ」
「結局力のある奴がうまいことやって、おれたちは貧乏くじを引かされるんだよな」
「自分が正しいことをしたと思ったなら胸を張っていろ。大切なのは舞台に上がることだから」

教師と生徒それぞれのキャラクターの設定もしっかりしている。
平岡祐太は自分の殻に閉じこもり、周囲との接触を拒んできた生徒を、黒木メイサは、人を信じることができない少女を‥‥。
それぞれの教師と生徒が等身大で描こうとしているようである。

ともすれば現実から離れたお話になりがちな連続テレビドラマの中で、ヒロインと生徒たち、そして教師たちが社会の現実にしっかり向き合って共に成長していく過程が描かれていると感じた。
人間関係の基本を水平関係として捉えようとしていることが伝わってくる。

16日は、1週間ほど学校を休んでいた刈谷(泉谷しげる)が、いつものように酒を飲んで酔っ払ったまま登校してきたときの話。

【放送】 フジテレビ 2004年10月〜毎週火曜日 午後9時~9時54分
【脚本】 相沢友子
【プロデューサー】 高橋萬彦
【キャスト】 ミムラ 原田泰造 瑛太 須藤理彩 山本太郎 木内晶子 平岡祐太 黒木メイサ 市毛良枝 泉谷しげる 小日向文世 浅野ゆう子
【制作】フジテレビ 共同テレビ

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

関連記事

第78回「琉球弧を戦場にするな」20241014案内チラシ(オモテ)

第78回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな』

第78回憲法を考える映画の会『琉球弧を戦場にするな』 ******************

記事を読む

ANPOジャケット表

ANPO あの熱かった時代の「抵抗」のアート

ANPO あの熱かった時代の「抵抗」のアート 六十年安保当時、熱かった日本をアーティスト

記事を読む

第63回憲法を考える映画の会『標的』2022年2月6日入稿用オモテ

第63回 憲法を考える映画の会『標的』

第63回 憲法を考える映画の会『標的』 【上映会情報】 と き:2022年2月6日(

記事を読む

hiroshima

ひろしま 石内都・遺されたものたち

広島の原爆犠牲者の遺品を撮りつづけている女性写真家・石内都のドキュメンタリー。07年に初めて広島を

記事を読む

第76回「アトミック・カフェ」20240629案内チラシ(20240607)テスト版表

第76回憲法を考える映画の会『アトミック・カフェ』

第76回憲法を考える映画の会『アトミック・カフェ』 第76回憲法を考える映画の会 日

記事を読む

第58回「言わねばならないこと」「ショック・ドクトリン」2021・3・27 (延期決定用)

第58回憲法を考える映画の会

第58回憲法を考える映画の会 TVドキュメンタリー番組『言わねばならないこと─防空演習を「嗤った」

記事を読む

第57回「地の塩」「人らしく生きよう」20201103・23(10月10日入稿時)ウラ

映画『人らしく生きよう─国労冬物語』

映画『人らしく生きよう─国労冬物語』   【上映情報】 憲法を考える

記事を読む

自由と壁とヒップホップ

自由と壁とヒップホップ

自由と壁とヒップホップ 音楽に境界はない!!! パレスチナのヒップホップムーブメントを取り上げた

記事を読む

日本と原発オモテ

『日本と原発』

映画『日本と原発』   【解説】 この映画は、弁護士河合弘之と盟友弁護士海渡雄一、訴訟を共に闘

記事を読む

gobaku

GOBAKU アメリカは誰と闘っているのか?

■戦火のアフガニスタン、イラクを果敢に取材。オバマの戦争、その実態としくみを解き明かす

記事を読む

ad

ad


第85回「レーン宮沢事件」案内チラシ案(2025年10月26日入稿原稿)
第85回憲法を考える映画の会『レーン・宮沢事件 もうひとつの12月8日』

第84回憲法を考える映画の会 『レーン・宮沢事件 もうひとつの12月

61東京裁判
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (61) 「戦後60年にあたっての各地で映画上映会企画」

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (61) 戦後60年にあたって

60宇宙戦争
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (60) 『宇宙戦争』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (60) 『宇宙戦争』 (初

火垂るの墓
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (59) 『火垂るの墓』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (59) 『火垂るの墓』 (

flyer_1
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (58) 『ひめゆりの塔』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (58) 『ひめゆりの塔』

記録映画「時代(とき)を撃て・多喜二」
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (57) 『時代(とき)を撃て・多喜二』

憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (57) 『記録映画「時代(と

→もっと見る

PAGE TOP ↑