テレビドキュメンタリー番組『言わねばならないこと─新聞人 桐生悠々の警鐘』
テレビドキュメンタリー番組『言わねばならないこと─新聞人 桐生悠々の警鐘』
【上映情報】
憲法を考えるちいさな映画の会『言わねばならないこと─新聞人 桐生悠々の警鐘』
と き:2019年7月14日(日)13:30~16:00
13:30:むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞について
14:00:『言わねばならないこと─新聞人 桐生悠々の警鐘』上映(北陸朝日放送 制作・黒崎 正己 監督・60分)
ところ:文京区民センター 2A会議室(いつも上映会に使っている部屋の1階下の部屋です)
入場無料(カンパ)
今回はテレビ番組のため入場無料が原則ですので、以前に試写会の形で催した「憲法を考えるちいさな映画の会」の形をとりました。
それでも、会場費などがかかってしまうので、資料代として500円程度のカンパをお願いしたいと思っております。
協力:『むのたけじ地域民衆ジャーナリズム賞』実行委員会
主催: 憲法を考える映画の会
【作品解説】
『言わねばならないこと─新聞人 桐生悠々の警鐘』
第一回「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞のテレビ番組です。
「この作品は桐生悠々という元信濃毎日新聞社主筆のドキュメンタリーです。
在職時に『関東防空大演習を嗤う』」という社説を書いたために退職を迫られ、その後、個人雑誌「他山の石」を発行して反軍部、反ファシズムの言論活動を続けた言論人です。
不屈の精神で言論活動を続けた当時の彼の動きだけでなく、現在のジャーナリズムの様子を官邸の映像を使って見せて、現代社会の危うさも描いていることも評価されました。(むのたけじ 地域・民衆ジャーナリズム賞」大賞の選考理由から)
戦前の新聞人の桐生悠々の生き方を軸に、今のジャーナリズム、マスメディアの問題に切り込んで行く作品です。
官邸記者会見問題なども盛り込まれ、メディアの「いま」を考えていくのにとても優れた作品です。
主な出演:
作家 井出孫六
信濃毎日新聞 松山貢一
ジャーナリスト 前坂俊之
神戸大学名誉教授 須崎愼一
小樽商科大学名誉教授 荻野富士夫
東京新聞社会部記者 望月衣塑子
桐生悠々の孫 原文哉
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番組のプロローグの部分が、この作品の問題意識をよくわかっていただけると思いますので、転載させていただきます。
【作品のプロローグから】
85年前、在る新聞記者が残したスクラップブックがあります。
ヒットラー首相誕生。国際連盟脱退。五・一五事件。
国内外の激動を縦横に論じた記事は一本のお詫びで止まっています。
「一週間はしばらく筆を断つ。」(桐生悠々)
記者はその後二度と新聞でペンをとることはありませんでした。桐生悠々、軍部の防空演習を嗤った代償でした。
「帝都の上空において敵機を抑え撃つが如き作戦計画は、最初からこれを予定するならば滑稽であり、パペットショウに過ぎない」(桐生悠々)
軍部の圧力と特高警察の検閲、彼が抵抗のよりどころにしたのは個人雑誌でした。
「日本のジャーナリズムって言うのは、非常に冷たいところあって、」(作家 井出孫六)
「桐生悠々を信毎と言う会社が守り切れなかったという悔恨の思いで」(信濃毎日新聞 松山貢一)
昭和の日本が軍国主義に舵を切った満州事変、世論を扇動したのは軍部を批判してきた新聞でした。
「戦争になれば、一番新聞が発展すると言うわけですね、戦争報道は何といっても新聞にとってですね最大のニュース源ですから。」(ジャーナリスト 前坂俊之)
「北朝鮮の脅かしに屈してはならないのであって…」(首相 安倍晋三)
安倍政権が全国で繰り返したミサイル攻撃の避難訓練。住民を動員し、危機感を煽った意図は何だったのか?
「空襲の恐怖というのは、言わば国民を動員するための道、」(神戸大学名誉教授 須崎愼一)
抵抗するものは排除し、安全のために自由を規制し、情報は隠蔽する。彼が生きたあの時代と重なります。
「時代が違うから今、民主主義の社会だからそんなことはあり得ないっていうふうに考えること自体が現実をリアルに見てない」(小樽商科大学名誉教授 荻野富士夫)
「声を上げなかったら、官邸の前で叫んでいる人たちの思いを誰が伝えることができるのかって」(東京新聞社会部記者 望月衣塑子)
「過去に学ぶと言うことは、いかに大事かってことを今ほど感じていることはないですね。」
(桐生悠々の孫 原文哉)
言論統制の時代をペン1本で闘った桐生悠々、言わねばならないことを言い続けた新聞人からの警鐘です。
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「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞の集い」第二回公募の集い(2019/6/1)でこのテレビ番組をはじめて見せていただきました。
地方(金沢)のテレビ局のドキュメンタリー番組ですが、テレビ番組でここまではっきりと今のメディアの状況に対して警鐘となるような番組がつくれるのかと驚きました。
地方局の範囲でしか放映されていないと聞き、何とか自分たちでも上映の貴会ができないかと、その集いに参加されていたこの番組のディレクター(報道部長)にお願いして上映の機会を作ることができました。
これをきっかけに自主上映の形ででも、もっと多くの方に見てもらイ、考えていただくことができたら、と思います。S.H.
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