第22回憲法を考える映画の会のご案内
第22回憲法を考える映画の会
『ハーツ・アンド・マインズ』を見て
私たちが今巻き込まれようとしているアメリカの戦争を考える。
日時:11月28日(土)13:30~16:30
会場:東京体育館 第2会議室(総武線千駄ヶ谷駅・地下鉄大江戸線国立競技場駅2分)
映画『ハーツ・アンド・マインズ』(112分)
1974年制作 アメリカ映画
参加費:一般1000円 学生600円
ベトナム戦争とはどのような戦争だったのだろうか? アメリカは、なぜいまも「アメリカの戦争」を続けるのだろうか?
そして私たちはいま、その「アメリカの戦争」に直接加わろうとしている。
ベトナム戦争と聞いて、あなたはどのようなことを思い浮かべますか?
私は 『映画 日本国憲法』の監督ジャン・ユンカーマンさんが話されていたことを思い浮かべました。 ユンカーマンさんは、「日本人は、悲惨な戦争を体験して『二度と戦争はしまい』と誓った。それが日本人の心の中で日本国憲法になった。しかしベトナム戦争を体験してもアメリカ人は誓わなかった。だから未だに戦争をやめられない」と話しておられました。
「アメリカは10年に一度は戦争をしないと、経済が持たない国になってしまった」とも言います。それがベトナム戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争と、戦争をし続ける「アメリカの戦争」です。
その「アメリカの戦争」にいま、日本は直接加わろうとしています。
安保法案は無法な強行採決によって法律となり、それによって平和憲法はねじ曲げられ、ないがしろにされ、日本は戦争をする国」になろうとしています。
その日本が加担するアメリカの戦争とはどんな戦争なのか、ベトナム戦争を描いた記録映画『ハーツ・アンド・マインズ』を見て、「こんな戦争に加担するのはいやだ」という気持ちを強く持ち、日本国憲法がもともとめざしていた「世界からこんな戦争をなくすために力を注ぎたい」という意思を新たにしたいと思います。
ベトナム戦争の記録映画を今見ることの意味。
─今まで見てきた「憲法を考える映画」を踏まえて─
ベトナム戦争を描いた記録映画『ハーツ・アンド・マインズ』のことを聞いたときに、その映画を今こそ見たい、この「憲法を考える映画の会」でみんなで見て、話を聞きたいと思った理由は次のようなものです。
昨年7月の解釈改憲集団的自衛権行使容認の閣議決定、今年9月の「安保法案」成立は、戦後70年曲がりなりにも守られてきた平和憲法の理念をないがしろにするものです。
私たちはこの「映画の会」で話し合い、あるいは集会やデモに参加しながら何とかそれを止め、日本国憲法の理念が本来の形で実現するように願ってきました。
そう動きの中で、「安倍政権は憲法を変えて、いったい何がしたいのか?」「どのような日本にしたいのか」をずっと考えてきました。そして安倍政権はいっそう「アメリカの戦争」「アメリカの経済」に追随することで日本の経済をゆだねようとしているのではないかと考えました。
この映画の会でも上映してきたいくつかの映画のことが頭に浮かびました。
『ショック・ドクトリン』『9条を抱きしめて』『イラク戦場からの告発』『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件…そして』『誰も知らない基地のこと』……、それらは戦争がアメリカによってつくられること、とくにアメリカの経済の事情から作られることを大なり小なり告発していました。「アメリカという国は10年も戦争をしないと経済が持たない国になってしまった」。つまり世界一の経済を成り立たせるためには戦争が必要である、と。
そのことと、今の安倍政権のめざしている「戦争のできる国」「戦争でもうけることができる『普通の国』」にして見かけ上景気をよく見えるようにしていこうという政策が重なります。そうした動きは、かつてアジア侵略戦争に至る戦前の政策を三井三菱などの財閥が軍部を後押しした歴史の過程にも重なります。まさに安部さんのあるいは自民党議員の多くの戦前回帰志向にも重なります。
そこで今の我が国の安保に関する動きとともに、安倍政権の戦争参加への動きの底辺にあるものをより明確にするために「アメリカの戦争」とは何なのか、日本にも最も密接に関係した「ベトナム戦争」についてもっと知っていきたいと思いました。そうした意味からこの『ハーツ・アンド・マインズ』を今回の憲法を考える映画の会の映画に選びました。
ベトナム戦争は日本の戦争でもありました。映画にも出てくるベトナムの住民に振りかけるように繰り返された空爆は、そのほとんどが沖縄の嘉手納基地から飛び立ったものといわれています。私はベトナム戦争にそのような形で加担しているとは当時思っていませんでした。
この映画で「ベトナム戦争がどのようなものであったか」を知ることを通して、今の日米安保の問題、沖縄の問題、辺野古をはじめとする基地の問題、集団的自衛権行使によって戦争参加の問題、そしてその中で私たちはどうしていくのか、今とこれからの問題を考えていきたいと思います。S.H.
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