憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (24) 『隠し剣 鬼の爪』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (2)
『隠し剣 鬼の爪』
(初出2004年10月25日掲載 H.T.記)

「寅さんシリーズ」でおなじみの山田洋次監督の2本目の時代劇である。
前作は同じ藤沢周平原作の「たそがれ清兵衛」。これは今年の米アカデミー賞で外国語映画賞部門の候補になった。
東北の小藩の下級武士、片桐宗蔵(永瀬正敏)は、母の生前に奉公に来ていた百姓の娘きえ(松たか子)と、3年ぶりに町で偶然再会する。
きえは嫁いでいた。
その痩せて寂しげな姿に、宗蔵は胸を痛める。それから数ヵ月後、きえが病で伏せっていると聞いた宗蔵は伊勢屋に乗り込み、強引にきえを連れ帰る。
宗蔵の貧しい暮らしが、回復したきえの笑顔で明るい毎日に戻った時、宗蔵と同じ門下生だった狭間弥市郎らの謀反が発覚する。秘剣“鬼の爪”の使い手である宗蔵は、弥市郎を斬るように命じられる。‥‥
宗蔵は最終的には主君のために生きざるをえない時代にあって、謀反(反乱)を自分の眼で見据える。きえとの身分の壁などにぶつかりながらも明確に「私は君が好きなんだ」と言う。
原作は時代を限っていないようだが、映画では幕末に設定されている。
幕末は極めて行き先不透明な不安な時代であり、今と似た状況だったので、観る人にわかりやすいだろうと思ったとのことである。そのような時代の中にあって、なぜこうなったのか、どうすればいいのかを流されずに立ち止まって考えさせる映画である。
山田監督は先日NHKの番組で制作意図を、「自分の意思をしっかり持っている武士の生き方を描くことによって、現代の若者にも自分のことを見つめ直し、きちんと言葉に出して言って欲しいと思った」と語っていた。
| 【制作】 2004年 日本 【監督】 山田洋次 【脚本】 朝間義隆 【出演】 永瀬正敏、松たか子、吉岡秀隆、小澤征悦、田畑智子、高島礼子、倍賞千恵子、田中邦衛、光本幸子、田中泯、小林稔侍、緒形拳 |
ad
関連記事
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (165) 『『となり町戦争』 』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (165) 『となり町戦争』 (初出2007年3月5日掲載
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (42) 『able(エイブル) 』・『ホストタウン エイブル2』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (42) 『able(エイブル) 』・『ホストタウン エイブ
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (16) 長編記録映画『遠い夜明け』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (16) 『遠い夜明け』 (初出2004年9月2日掲載 I
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (75) 『友の碑~白梅学徒の沖縄戦~』『我が子の碑 ~人形たちと生きた六十年~』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (75) 『友の碑~白梅学徒の沖縄戦~』『我が子の碑 ~人形
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (109) 『不撓不屈』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (109) 『不撓不屈』 (初出2006年6月19日掲載・
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (127) 論考「映画は憲法をどのように映してきたか」
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (127) 論考「映画は憲法をどのように映してきたか」 (
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (23) 『ピエロの赤い鼻』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (23) 『ピエロの赤い鼻』 (初出2004年10月11日
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (149) 『武士の一分』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (149) 『武士の一分』 (初出2006年12月18日掲
