憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (204) 映画『さらばベルリン』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (204)
映画『さらばベルリン』
(初出2007年10月15日掲載・H.T.さん記)

1945年、敗戦直後のベルリンを舞台に、核ミサイルの開発を実現するためにナチス協力者の獲得をめぐるすさまじい謀略が展開される作品です。
同年7月、かつて通信社の駐在員としてベルリンに勤務したことにあるジェイク(ジョージ・クルーニー)は、ポツダム会談を取材するため、再びベルリンに戻ってきます。ベルリンは米英ソ仏に分割され、米ソがしのぎを削ります。ジェイクは、駐在員時代の助手だった愛人レーナを探します。レーナにはナチスのロケット兵器の秘密を握る夫エミールがいて、二人はベルリンからの脱出を企てていました。
ジェイクは、駐留米軍の伍長タリーを案内役にします。レーナは、タリーの愛人にもなっていました。が、ポツダム会談の直前、タリーはソ連領のポツダムで、死体となって発見されます。事件をもみ消そうとするアメリカの下院議員や法務総監たち。
やがて、アメリカの狙いは、レーナの夫エミールであることが分かります。アメリカは、ナチスの戦犯追及を免罪してでもロケット科学者の獲得を狙いっていました。人体実験など、中国で戦争犯罪を行った日本の科学技術の確保を図ったのと同じ構図です。
ジェイクは母国の方針に疑問を持ち、レーナ夫妻の脱出を助けます。
謎の多い映画です。最後の場面、ユダヤ人であるレーナの秘密、夫エミールの過去が明らかになります。愛とか平和とか、個人が願う平凡ともいえる幸福にとって国家とはどんな存在なのか、考えずにはいられない緊張感あふれる作品です。
【映画情報】
製作:2006年 アメリカ
監督・スティーブン・ソダーバーグ
時間:108分
出演:ジョージ・クルーニー/ケイト・ブランシェット/ トビー・マグワイア /
ボー・ブリッジス
ad
関連記事
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (118) 『朗読劇「この子たちの夏」 ―1945・ヒロシマ・ナガサキ』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (118) 『朗読劇「この子たちの夏」 ―1945・ヒロシマ
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (183) 映画『ブリッジ』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (183) 映画『ブリッジ』 (初出2007年6月18日掲
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (33) 『アンナとロッテ』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (33) 『アンナとロッテ』 (初出2004年11月22日
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(262) 映画『LOOK』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法>(262) 映画『LOOK』 (初出2008年9月22日掲載
-
-
アメリカばんざい Crazy as usual
格差社会の底辺から、戦場へと押し出されてゆくアメリカの若者たち・・・ 米軍は「志願制
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (94) 『三池 終わらない炭鉱の物語』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (94) 『三池 終わらない炭鉱の物語』 (初出2006年
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (207) 映画『カルラのリスト』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (207) 映画『カルラのリスト』 (初出2007年10月
-
-
ハトは泣いている 時代(とき)の肖像
ハトは泣いている 時代(とき)の肖像 「公正中立」って何だ?民主主義って何だ?浮き彫りにされるキナ
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (227) 映画『真昼の暗黒』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (227) 映画『真昼の暗黒』 (初出2008年3月10日
-
-
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (44) 『ドキュメンタリーフィルムで見直す戦後60年~平和・人権・労働運動~』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (44) 『ドキュメンタリーフィルムで見直す戦後60年~平和
