憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (88) 『東京原発』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (88)
『東京原発』
(初出2006年2月13日掲載・H.O.さん記)

多くの人々が原発の危険性を感じていますが、その誘致に反対する世論はあまり盛り上がりません。
原発は人口過密地域につくられるわけでないので、
都市部に住む人々に原発に反対する声が広がらないからだと言えましょう。
実際に原発による電気を使っているのは都市部の人々の方が圧倒的に多いにも関わらずに。
こうした実情をふまえ、果敢に問題提起したのがこの映画だと思います。
原発が誘致される地域の住民数が多いところだろうと、少ないところだろうと、
原発の危険性はそこに住む一人ひとりにとっては同じです。
犠牲が出る場合を想定して人口の少ない地域に原発を誘致するということをどう考えるか。
このような施策は日本国憲法の「個人の尊重」の理念ふまえて、考え直されるべきものと思われます。
映画からもこのような趣旨のメッセージが発せられています。
それは、行政当局などへの問題提起であるとともに、私たち国民一人ひとりに呼びかけられたものです。
映画には、国民は我が侭で事なかれ主義だと言って実際に悲惨な思いをしてみないとわからないという主張などもありました。
そのような考え方には同調できません。
しかし、全体として、原発問題についての大胆な問題提起を意欲的におこなった映画として、
多くの人々に観てもらいたいと思います。
【映画情報】
製作年度 : 2002年
上映時間 : 110分
監督脚本 : 山川元
出演 : 役所広司 、段田安則 、平田満ほか
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