憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (244) テレビ『衝撃の昭和事件史 松川事件』
憲法情報Now<シネマ・DE・憲法> (244)
テレビ『衝撃の昭和事件史 松川事件』
(初出2008年4月14日掲載・蓼沼紘明 記)
(註)下記の解説中のテレビ放送の放送の案内は、この記事が掲載された2008年当時のものです。
福島の街がまだ眠りに包まれていた頃、二つの影がいかめしい地区警察署に吸いこまれていきました。1人は本間刑事、1人は19歳のチンピラ青年赤間勝美。当時の国鉄東北本線金谷川駅―松川駅間で上り旅客列車の脱線転覆と機関車乗務員3人の致死事件があってから1カ月近くたった1949年9月のことです。その日から、激しい赤間取調べが始まりました。
この映画は、その年の夏、当時の国鉄(日本国有鉄道・今のJR各社の前身)の線路上で、国鉄総裁の下山氏が死体となって発見された「下山事件」、東京・三鷹で無人電車が暴走し市民6人が死亡した「三鷹事件」に続いて相次いで発生した「松川事件」を素材にしたものです。社会派の巨匠である山本薩夫監督作品です。事件の詳細については憲法MAP(福島編(1))をご覧ください。
松川事件は、謀略事件であった可能性が極めて高いとされています。アメリカの対日占領政策が転換されるなかで、高揚する労働運動や政治の民主化を潰すために権力によって仕組まれた犯罪ではないかと。1,2審では死刑判決も出されましたが、14年に渡る5回目の裁判で全員無罪となりました。被告の救援と公正裁判を求める大衆運動が世論と裁判を動かしたと言われ、「松川運動」と称されました。この映画もその重要な一環をなしています。戦後民主主義の歴史を知る上で是非みておきたい映画です。
今、冤罪事件が次々と起きて、問題になっています。その一つ、今年判決があった鹿児島の志布志事件については、4月26日に当研究所の共催で講演会が開催されます。松川事件の映画と合わせて、冤罪ないし権力犯罪を考える機会になさってください。
【放送】BS5 WOWOWBSデジタル9 4月26日 AM8:00~
【製作】1961年 日本
【監督】山本薩夫
【脚本】新藤兼人
【時間】163分
【出演】宇野重吉・宇津井健・永井智雄・西村晃・多々良純・北林谷栄
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